Isometries on Banach algebras
Project/Area Number |
21K13804
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 12010:Basic analysis-related
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
大井 志穂 新潟大学, 自然科学系, 助教 (90891789)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | Jordan*同型写像 / 全射等距離写像 / リプシッツ環 / C*環 / 等距離写像 / Banach環 / バナッハ環 |
Outline of Research at the Start |
Kadisonは単位的C*環の間の全射等距離写像を決定し,Banach-Stoneの定理の非可換化に成功した。単位的C*環の間の任意の全射等距離写像はJordan積の構造を保存することが知られている。一方,Wiener環をはじめとする多くのバナッハ環においてはこのようでなく,等距離写像が積の構造を保存するという現象は極めて特異的である。どのようなバナッハ環の間の全射等距離写像が積もしくはJordan積の構造を保存するのかを明らかにすることが本研究の目的である。
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Outline of Annual Research Achievements |
単位的$C^{*}$環に値をとるリプシッツ写像全体からなるバナッハ環上の全射線形等距離写像とJordan$*$同型写像の関係についての研究を行った。全射等距離写像は,前年度から引き続き,研究を継続した。単位的$C^{*}$環の中心が自明であるときは,単位的全射線形等距離写像の表現は一般化した荷重合成作用素で記述でき,その特徴づけを与えることができたが,一般の$C^{*}$環の場合はどのようになるかは分かっていない。 そこで,等距離写像と関係があるであろうJordan$*$同型写像を研究し, その式の表現を得た。そこではpure stateやGNS表現を用いることにより可能となり,結果として中心が自明である場合の結果に対する一般化を得た。この結果より,全射複素線形等距離写像の式の表現の予想を立てることができた。さらに,Jordan$*$同型写像であったとしても完全な特徴づけを与えることは,困難であることがいくつかの例を考察することを通して分かった。また,Jordan$*$同型写像の結果を得ることができたため,単位的$C^{*}$環に値をとる連続関数環・リプシッツ環上の順序を保存する順序準同型写像,同型写像の式の表現を得ることができた。これにより,単位的$C^{*}$環に値をとるリプシッツ環上の保存問題についての一般論を整備できた。 $C^{*}$条件を満たさないノルムが定義されたバナッハ環上の等距離写像の問題の解決を目指し,フーリエ環上の準同型写像の研究を開始した。また,等距離写像とそのスペクトルの関係について,昨年度に引き続きアメリカ,ヨーロッパの保存問題の研究者とともに共同研究として進めた。単位的$C^{*}$環の場合は,そのスペクトルの特徴づけを与えることができた。本研究は,論文としては未発表であるが,順次論文としてまとめ,発表していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
一般の$C^*$環に対して,それに値をとるリプシッツ写像のなすバナッハ環の間のJordan*準同型写像の式の表現を与えることができ,その結果その上の順序同型写像に関する結果も得られた。さらにこれらの結果を論文として発表することができた。$C^*$環に値をとる連続関数・リプシッツ関数のなすバナッハ環上の保存問題について包括的に眺めることができつつある。また,これらの結果について国内外数多くの場所で研究発表する機会を得ることができ,本研究の結果の普及をすることもできている。共同研究についても,これまではコロナの影響でZoom会議を通して行ってきたが,今年度は対面での研究打ち合わせを行うことができ,研究を大幅に進めることができた。論文として未発表のものもあるが,随時論文としてまとめ発表する。よって,順調に研究が進んでいると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで通り,C*条件を満たさないノルムが定義されたバナッハ環上の保存問題に取り組み,解決のための研究を進めていく。リプシッツ環上の全射等距離写像の問題については,単位的という条件を外すことはできていない。この理由は技術的な困難性による。一方で,Jaroszによる全射等距離写像が積の構造を保存するための十分条件を与えた研究等を参考にすると,単位的の仮定を外しても同様に全射複素線形等距離写像が積の構造を保存するという予想を立てている。これについて詳しく調べたい。そのためには,技術的な困難を乗り越えるために,新たな全射複素線形等距離写像を決定するための新たな手法の導入が必要になる。よってまずは,ほかのC*条件を満たさないノルムが定義されたバナッハ環上の全射等距離写像の研究も進める。とくに,最近研究を開始したフーリエ環はそのよい対象である。その研究から得られた知見をもとにリプシッツ環上の全射等距離写像の研究を進めたい。全射複素線形等距離写像がどのような条件の下で積の構造に言及するか,その様子について研究を進める。この目的の遂行のため,国際的な研究交流をより進めていきたい。フーリエ環上の代数構造と群構造の関係が,共同研究により少しずつ分かってきている。研究代表者と研究協力者と知見を共有し,本研究をより発展させていく。
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Report
(2 results)
Research Products
(24 results)