位相幾何学的グラフ理論を用いたRyser予想の研究
Project/Area Number |
21K13829
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 12030:Basic mathematics-related
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
大野 由美子 横浜国立大学, 研究推進機構, 特任教員(助教) (40881074)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2021)
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Budget Amount *help |
¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | 位相幾何学的グラフ理論 / Ryser予想 / グラフ / ハイパーグラフ / グラフ彩色 |
Outline of Research at the Start |
グラフの主要な不変量として、最大マッチング数と最小頂点被覆数がある。グラフの最大マッチングを見つけるアルゴリズムにおいて、その最大性を判定する際にグラフの最小頂点被覆が用いられており、これらの関係性は非常に重要なものとなっている。最大マッチング数と最小頂点被覆数は、グラフを一般化したハイパーグラフにおいてもグラフ同様に定義でき、特にある条件を満たすハイパーグラフに対しては、それらの関係について「Ryser予想」と呼ばれる有名な予想が立てられている。この予想は長年解かれておらず、本研究では新たに位相幾何学的グラフ理論の知見を使うことで、Ryser予想の解決を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、ハイパーグラフの最大マッチング数と最小頂点被覆数を、閉曲面上のグラフのface independence numberとguarding numberと呼ばれる不変量へそれぞれ翻訳し、位相幾何学的グラフ理論の知見を用いてRyser予想を解決することを目標としている。また、グラフの彩色を用いた観点からも研究を進めていく予定となっている。 2021年度はまず、閉曲面上の三角形分割のguarding numberについて、facial complete coloringと呼ばれる彩色との関係について研究を行い、それらの結果をまとめた論文「Facial achromatic number of triangulations with given guarding number」が出版された。なお、この論文では、ある条件を満たす三角形分割のguarding numberが3であることを計算機を使って確認しており、この手法は今後の研究でも活かしていきたいと考えている。 また、グラフの彩色の観点からは、イランの研究者であるN. Haghparast氏とM. Hasanvand氏とともに、ハイパーグラフのある特別な彩色について結果を得ることができ、それらをまとめた論文「The existence of uniform hypergraphs for which interpolation property of complete coloring fails」が出版された。この論文では3-uniformなハイパーグラフの結果が主となっており、これはRyser予想で扱われるr-partiteなハイパーグラフのうち、rが3であるものを含んだグラフクラスとなっている。この他にも、閉曲面上のグラフの彩色についていくつか結果を得ることができている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「研究実績の概要」に示したように、2021年度は本研究を遂行するために重要な閉曲面上のグラフの不変量やハイパーグラフ、またグラフの彩色に関する結果をいくつか得ることができた。また、文献調査なども同時に進めていることから、おおむね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はこれまでに得られた三角形分割の結果を参考にしながら、一般のr角形分割におけるface independence numberやguarding numberおよび彩色についての研究を引き続き進めていく。そしてそれらを用いて、r-partiteなハイパーグラフの言葉を位相幾何学的グラフ理論の言葉へと翻訳した理論を構築し、Ryser予想の解決を目指す。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)