初代銀河と天の川銀河における初代星質量分布の理論的構築
Project/Area Number |
21K13960
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 16010:Astronomy-related
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Research Institution | Kanagawa University (2023) The University of Tokyo (2021-2022) |
Principal Investigator |
平野 信吾 神奈川大学, 工学部, 助教 (40772900)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2025: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | 天文学 / 宇宙物理学 / 数値シミュレーション / 星形成 / 第一世代星 / 磁気流体シミュレーション / 理論天文学 / 宇宙物理 / 磁気流体 / 宇宙の大規模構造 / 超大質量ブラックホール / 初期宇宙 |
Outline of Research at the Start |
次世代望遠鏡の重要な観測ターゲットである初代銀河の観測可能性を議論するためには、初代銀河に含まれる初代星の星質量分布を明らかにする必要がある。本研究では、まず磁気効果と超音速相対速度流を考慮することで初代星の星形成モデルを更新する。そして大規模な宇宙論的シミュレーションより初代銀河に取り込まれる初代星形成ガス雲を調べ、星形成モデルを用いて各ガス雲で誕生する初代星の星質量を決定することで、様々な初代銀河の物理的・観測的性質を明らかにする。さらに天の川銀河へと成長する初代銀河を特定することで、最も詳細な観測が可能である近傍宇宙に見つかる初代星の痕跡を明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、初期宇宙における初代星・初代銀河の形成プロセスを明らかにするため、主に数値シミュレーションを用いた理論的研究を行っている。今年度は新たに(1)初代星形成に対する平均的な強度の外部解離輻射場の影響と(2)近年の遠方銀河観測が指摘する構造形成モデルの問題点を解消する宇宙論モデルについて調べた。ここでは(1)の成果を紹介する。 恒星進化は星質量に強く依存するため、初代星が初期宇宙・初代銀河に及ぼす影響をモデル化する上で、初代星の星質量が重要なパラメータとなる。星質量は星が誕生するガス雲の温度(熱進化)に左右されるのだが、この温度は外部の他の天体からの輻射場によって大きく変わることが知られている。このうち初代星形成ガス雲の重要な冷却源を破壊する解離輻射場に関して、以前より極めて輻射強度が強い場合は超大質量形成というトピックに結びつくためよく調べられていたが、より一般的な微弱な輻射強度についてはこれまで注目されていなかった。そこで我々は、解離輻射の強度を18通りに変化させた場合の初代星形成過程を宇宙論的シミュレーションを実施して調べた。従来、輻射強度が増大すると冷却源が減少するためガス雲は高温となり初代星質量は増加すると考えられており、今回も基本的には同様の結果が得られた。その一方で、一定の輻射強度範囲において、異なる化学冷却が有効となることでガス雲が低温となり初代星質量が急激に減少する、新たな星形成過程が確認された。このときに形成する低質量初代星は宇宙年齢以上の寿命を持つため、現在まで残留している可能性がある。今後は、そのような輻射場を受けた初代星形成領域の出現領域を調査し、低質量初代星の所在を特定する必要がある。 今年度は査読論文8編(うち主著論文3編)を発表し、国内学会9件・国際学会2件にて学会発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究を通して構築した初代星形成領域サンプルに対する追加調査(数値シミュレーション)を実施し、各領域における初代星の星質量分布を求めた。これは宇宙全体を対象とした大規模シミュレーションにおける初代星形成モデルを決定する情報となる。本研究で用いる大規模な宇宙論的シミュレーションは共同研究として進めており、現在までに計算は完了しており、星形成の仮モデルを実装してテストを進めている段階である。来年度より、星形成モデルと大規模シミュレーションを組み合わせた準解析的銀河形成モデルの構築に着手する。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの数値シミュレーション研究より構築した初代星形成モデルを、大規模N体シミュレーションより得られる初代銀河・天の川銀河の準解析的サンプルに適用し、初代星の星質量分布を理論的に構築する。得られた結果から超大質量ブラックホールを含む初代銀河サンプルを特定し、超大質量ブラックホールの形成過程・形成領域を明らかにする。 初代星形成領域サンプルのうち、初代星の集団形成が起きたモデルに対して3次元輻射流体コードを用いた詳細シミュレーションを実施する。初代星星団の形成過程を、特に輻射フィードバック効果による低質量初代星形成に着目して調べる。
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Report
(3 results)
Research Products
(38 results)