Elucidation of Wall Chemical Effects on the Cool Flame Ignition and Extinction Process
Project/Area Number |
21K14088
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 19020:Thermal engineering-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
李 敏赫 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 助教 (80828426)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2021: ¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
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Keywords | 冷炎 / 低温酸化反応 / 壁面の化学的効果 / HCHO / PLIF / TDLAS / WMS / 燃焼 / エネルギー / 低環境負荷 |
Outline of Research at the Start |
本研究では,より高効率で低環境負荷の燃焼システムの実現に向け,冷炎の着火および消炎課程における壁面の化学的効果の解明を行う.壁温の昇降により冷炎の着火と消炎がコントロールできる実験系を構築し,冷炎中の主要な中間生成物の濃度変化を計測することで,その課程を同定する.異なる壁面上における冷炎の着火・消炎挙動を比較することで,壁面の化学的効果を明らかにするとともに,冷炎に適用可能な表面反応モデルの構築を目指す.
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,冷炎の燃焼特性に対する圧力の影響を調べるため,雰囲気圧力を制御した上,壁面近傍に冷炎の形成を可能とする実験系を構築し,半導体レーザ吸収分光法(TDLAS)により冷炎着火過程におけるHCHO濃度変化を計測した.TDLAS計測では吸収線強度が温度により変化するため,濃度算出にはガス種の温度情報が必要となる.そこで,吸収線強度に対して異なる温度依存性を示す2つの波長領域を選定し,吸収率の比から温度を計測するTwo-Line H2O-TDLASを導入した.特にH2O-TDLASには,WMS(Wavelength Modulation Spectroscopy)法を適用することにより,温度測定時のノイズ低減を図った.H2O-TDLASにより求められたガス温度を用いて,HCHO濃度値の補正を行うことにより,高精度のHCHO濃度計測を実現した. DME(ジメチルエーテル)に加え,直鎖ヘプタン(n-C7H16),直鎖オクタン(n-C8H18)を燃料として用い,それぞれの冷炎の燃焼特性に対する圧力の影響を調べた.DME冷炎の場合,圧力の上昇に伴い同一壁温度におけるHCHO濃度が低下し,着火温度が増加する結果を得た.一方,直鎖アルカン冷炎の場合は,圧力の上昇につれ同一壁温度におけるHCHO濃度が増加し,着火温度が減少する,DMEと逆の傾向が示された.したがって,燃料によって低温酸化反応の開始および進行に対する圧力依存性が異なることを明らかにした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
HCHO-TDLASとTwo-Line H2O-TDLASの同時実施により,HCHOの計測精度を格段に向上させることができた.DME冷炎の着火特性に対する圧力の影響を調べた結果を日本燃焼学会誌に,直鎖アルカン冷炎に対する壁面の化学的効果を調べた結果を国際ジャーナルのFuelに投稿し,2編とも掲載が確定している.また,研究代表者は「壁面安定化冷炎を用いた低温酸化反応の研究」に関する研究により,2022年4月日本機械学会奨励賞(研究)を受賞した.
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Strategy for Future Research Activity |
これまで,HCHO-TDLASにはDAS(Direct Absorption Spectroscopy)法を用いてきたが,吸収波長帯の再選定によりWMS法の適用を検討することで,測定ノイズの低減を図る.高圧環境下で異なる材質壁面の近傍に形成させた冷炎の燃焼特性を,HCHO-TDLASおよびTwo-Line H2O-TDLASの同時計測により調べ,壁面の化学的干渉効果に対する圧力の影響を明らかにする.一方,これまで冷炎挙動の同定に標的化学種として用いてきたHCHOの計測に加え,低温酸化反応のより初期段階に現れる中間生成物の計測を試み,低温酸化反応機構の精緻化を進めていく.
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)