Project/Area Number |
21K14106
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 20010:Mechanics and mechatronics-related
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Research Institution | Kitakyushu National College of Technology (2022-2023) Seikei University (2021) |
Principal Investigator |
久野 翔太郎 北九州工業高等専門学校, 生産デザイン工学科, 助教 (00825945)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2021: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | 集中質量系モデル / 熱音響 / 熱輸送 / 定常応答解析 / 消音器 / 熱音響自励振動 / 集中系モデル / 固有値解析 / 熱音響現象 / 自励振動 / 非線形振動 |
Outline of Research at the Start |
本研究では,壁面に温度勾配のある音響管を質量-ばね-減衰からなる集中系モデルで定式化し,当該モデルを用いた汎用的な熱音響現象の解析手法を確立することを目指す. 熱音響現象は,環境負荷の少ない高効率熱機関として応用できる可能性があることから,近年活発に研究が行われている.本申請で開発する集中系モデルは,熱音響管内の音波を流体粒子の振動として解析するモデルである.このモデルを用いて熱音響管における自励振動解析を行い,熱音響現象のメカニズムについて考察する.また,提案手法は振動体や制御系との連成解析が容易である特徴も有するため,この特徴を活かした熱音響機関の改良手法の検討も行う.
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,熱音響現象を解析可能な集中質量モデルの構築とモデルを用いた熱音響自励振動の解析手法の開発を目的とする.また,開発した手法を利用して,振動学的に熱音響自励振動のメカニズムの考察を行い,熱音響デバイスの改良方法について検討する. 今年度の研究実績の概要は以下の通りである.(1):熱音響自励振動解析モデルを基調として,スピーカ駆動型熱音響ヒートポンプの定常応答解析手法を開発した.(2):スピーカ駆動型熱音響ヒートポンプの実験装置を応用して,熱を利用した消音器の製作について検討を行った. 今年度は,これまでに開発した熱音響自励振動解析モデルを用いて.スピーカ駆動型熱音響ヒートポンプにおける定常状態の熱流束を解析した.解析した熱流束が管内で最小化されるように温度分布を更新する方法を開発した.開発した方法を用いて,スピーカの電圧と熱音響管に発生する温度分布の関係を解析することができた.昨年度製作した実験装置によって実験も行っており,解析結果と実験結果が非常によく一致した.また,提案手法の応用として,熱を利用した消音器の製作についても検討を行った.熱音響管内の蓄熱器を自励振動が発生する場合とは逆方向に加熱することで,スピーカから発生した騒音を低減できることが分かった.蓄熱器の部分で音波を進行波状態に近づけるほど騒音の抑制効果が向上することも分かった.以上に関連する研究成果は,国内の学会で発表している.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
転職に伴う研究環境の変化があったため,一部研究方針の変更を行った.スピーカ駆動型熱音響ヒートポンプは解析に集中して検討を行っており,定常応答解析によって発生する温度勾配を予測できる手法を開発できた.また,蓄熱器を加熱する実験も行うことに成功し,応用として消音器に関する検討を行った.以上のように,当初の予定とは別の方向で成果を得られた一方,予定していた非線形領域の検討が十分にできていないため,総合的な進捗状況はやや遅れていると判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
既に開発した基礎的な解析モデルを基調とした熱音響現象の簡易解析手法の開発と実験的検証を行う.特に,実験の比較的容易な音入力によって発生する熱輸送現象に集中した検討を行う予定である.次年度は,まずヒートポンプをより実用的な冷凍機に拡張した場合の検討を行う.また,大音圧を利用した非線形熱音響実験の実施を目指す.実験結果と解析結果を比較して,解析モデルが非線形領域にも対応できているか検証を行う.
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