Project/Area Number |
21K14167
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 21030:Measurement engineering-related
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
XIAFUKAITI ALIFU 千葉大学, 大学院工学研究院, 特任研究員 (30899092)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥3,510,000 (Direct Cost: ¥2,700,000、Indirect Cost: ¥810,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 非回折光 / 散乱媒質 / 環状光 / 光散乱 / 物体検出 |
Outline of Research at the Start |
環状光の自己干渉効果によって生成された非回折光は、ガウス光の伝搬に比べて回折や媒質の揺らぎを抑えるという顕著な特性がある。先行研究では、環状光の非回折光に自己変換できる特性を用いて、加工乳の希釈液で調整した散乱媒質中に環状光を伝搬させ、狭い視野角で受光して非回折光の生成を発見した。また、生体組織の光学濃度に近い散乱媒質においても非回折光の生成や生成特性を解明した。任意の環境下で非回折光の生成条件を推定することも実現できた。本研究では、非回折光の自己修復特性を、生体組織に近い濃度域である散乱媒質中で実現させ、媒質中の物体検出を理論的アプローチと実験による実証にて実現することを目的とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、高濃度散乱媒質中で生成された非回折光の自己修復性を利用した基礎研究に基づいて、修復された非回折光の強度分布変化による検出物体との相関を成立させ、散乱媒質中における未知物体の検知を実現することを目的とした。前年度において、ICCDカメラを用いることで環状光の伝搬による非回折効果を計測できた。また、部分遮断した環状光の散乱媒質における伝搬効果を評価した。今年度は、散乱媒質中における物体検知を実現するための最初段階として、散乱媒質の中に遮蔽物を設置し、計測した環状光の強度分布から遮蔽物横幅の大きさを推定することを試みた。 実験では、散乱媒質中の遮蔽物を横軸と縦軸に移動させながら、散乱光の強度分布を計測した。横軸の移動において、散乱光に非回折効果が生じてから消滅するまでの両端が2点現れた。この2点間の移動量と遮蔽率の関係から遮蔽物横幅の大きさを推定した。縦軸の移動において、遮蔽物を光源側に設置した場合は実寸より18%に増幅が推定され、受光部側に設置した場合は実寸と等しい幅が推定された。遮蔽物の位置による違いは、環状光の伝搬特性によるものだと考えられる。環状光は、伝搬に伴って中心にピークを持つ強度分布に変化するため、遮蔽物の位置が受光部側のとき、中心ピークはすでに生成されており、片側のエッジ位置の推定において、狭い中心ピークの幅で分解能をもつ。媒質中での遮蔽では、中心強度比の増減が傾きの緩やかな線形的な変化を示し、光源側での遮蔽では、透過光が十数cm伝搬するため、中心強度比が小さくなる。このように、環状光を遮っていったときの中心強度比の増減の仕方は、伝搬方向における遮蔽物の位置を推測する指標になる。これは、散乱媒質中環状光の伝搬特性に由来し、環状光の伝搬と中心強度比の変化を結びつけることができれば、位置と大きさが未知な散乱媒質中の物体検出が可能になる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまで、散乱媒質中における部分遮蔽した環状光の伝搬により非回折光への自己変換特性を調べた。また、カメラ光学系で、散乱媒質中環状光の伝搬により生成した非回折光の観測可能性を調べるために、ICCDカメラとテレセントリックレンズを組み合わせた受光光学系で非回折光の生成を確認できた。しかし、感度が低いこと、およびテレセントリックレンズの精度に由来する画像の不均一性が生じ、その補正が複雑という観点から光電子増倍管での測定が最適であると判断した。そのため、今年度は散乱媒質中に直接遮蔽物を設置し、散乱光強度と遮蔽物の間の相関性を調べ、散乱媒質中物体検出アルゴリズムの確立に有利な情報を与えた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の課題としては、媒質内の位置や形状を推定することが挙げられる。今年度は、散乱媒質内に遮蔽物を設置し、異なる物体位置において横幅の長さを推定した。伝搬方向における位置が未知の物体に対し、物体を動かしたときの強度比の変化が物体位置を推定するときの指標となる。環状光による非回折光の生成に関連するパラメータは、主に媒質の光学濃度と伝搬距離であり、大きさと環厚が固定された環状光について、伝搬距離と濃度を最適な条件にすることで非回折光の生成を実現できる。一方、光センシング技術としての実用的な利用を考えたとき、計測対象までの伝搬距離、周辺の光学濃度といったパラメータは既知である。伝搬距離や光学濃度が固定されているとき、非回折光の生成が実現できるかは、環状光の大きさに依存している。このように、想定される伝搬距離と光学濃度から、適切な大きさの環状光を入射させ、観測される中心ピークの強度の大きさや変化から散乱媒質内の物体を検知することができれば、光センシング技術を用いた物体計測としての応用が期待できる。
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Report
(2 results)
Research Products
(9 results)