Project/Area Number |
21K14172
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 21030:Measurement engineering-related
|
Research Institution | Fukuoka Institute of Technology |
Principal Investigator |
巫 霄 福岡工業大学, 工学部, 助教 (20825351)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2021: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
|
Keywords | イオン液体 / インピーダンス測定 / 非荷電苦味物質 / 非荷電味物質 / 膜インピーダンス / 電気抵抗 / 味覚センサ / 無電荷味物質 / 非電解質 |
Outline of Research at the Start |
従来の味物質の電位計測は、電解質に強い応答性を示したが、非電解質への応答が弱い。電気化学インピーダンス計測も考えられるが、センサ受容膜の電気抵抗が高いため、直接的な計測は困難である。本申請課題では、電気伝導性の高いイオン液体を機能性膜材料、または電極材料の修飾剤として利用することで、膜や電極の導電率を向上させ、従来の電位測定法により検出できない非電解質の味物質に対して高感度の検出を目指している。さらに、複雑な溶液による抵抗の影響を回避するため、膜に吸着した味物質の抵抗変化をのみ検出する独自の方法を採用することで、特定の味物質群を高選択的に検出することを目指している。
|
Outline of Annual Research Achievements |
今年度、以下の2つの実験を実施しました。 (1)本実験では、イオン液体膜の組成を調整した4種類の膜を作製し、それぞれの電荷移動抵抗を比較しました。インピーダンス測定は3電極法を用い、ガラス状カーボン電極に4種類の膜を修飾して実施しました。電荷移動抵抗は半円の直径から求め、その結果、膜の組成に含まれる各物質が電極に修飾されていることが確認されました。さらに、走査電子顕微鏡による観察でも膜が適切に修飾されていることが分かりました。 (2)本実験では、作製したイオン液体膜が非荷電苦味物質を検出できるかを確認するため、インピーダンス測定を行いました。カフェインを用いた4濃度のサンプルで測定し、相対値とCIA値を取得しました。その結果、カフェイン濃度が高くなると共に相対値とCIA値がプラス方向にシフトし、これは膜への吸着量の増加と考えられます。一方、イオン液体のイミダゾール環とカフェインのプリン環のπ-π相互作用も影響していると考えられます。結果として、イオン液体膜の修飾を確認し、サンプルの濃度依存性応答が得られました。 これらの実験から、イオン液体膜の修飾効果と非荷電苦味物質の検出が可能であることが示されました。今後の課題として、センサ感度の向上および他の非荷電苦味物質への応答確認が挙げられます。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
やや遅れている理由は以下の通りです。 (1)実験プロセスの複雑さ: 膜材料の固定やインピーダンス測定は、非常に細かい調整や精密な作業を必要とし、予想以上に時間がかかりました。特に、複数のイオン液体から製膜し、それぞれの電荷移動抵抗を測定・比較するプロセスには多くの試行錯誤が伴いました。 (2)装置のトラブル: 測定装置に予期せぬトラブルが発生し、修理やメンテナンスに時間を要しました。これにより、実験スケジュールが遅延しました。 (3)追加の検証実験: 初期の実験結果を確認するために、追加の検証実験を行う必要がありました。これにより、当初予定していたスケジュールに遅れが生じました。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後の研究を円滑に進めるための推進方策について、以下の点を計画しています。 (1)実験計画の再構築: 過去の遅延を踏まえ、実験計画を再評価し、より効率的なスケジュールを作成します。具体的には、各実験の時間配分を見直し、優先順位を明確にすることで、重要なデータ収集を優先的に進めます。 (2)装置の保守管理強化: 測定装置などの重要な機器について、定期的な保守点検を徹底し、トラブルを未然に防ぐことで、実験の遅延を最小限に抑えます。 (3)定期的な進捗レビュー: 定期的に研究の進捗状況をレビューし、計画と実績のギャップを把握します。その上で、学会を発表・参加することで、専門家から助言やフィードバックを得て、更なる改善とレベルアップを図ります。
|