Research Project
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
明治から昭和戦前に建設された近代木造建築には,伝統技法と近代的技術の混交した多様な技法が用いられた。近年修理周期を迎えた近代木造の構造性能評価のために,それらの混交的技法の構造性能に関する知見が求められている。中でも,木摺漆喰をはじめとする木製下地と左官仕上げの組み合わせによる壁体は,いわゆるラスモルタル壁の確立に至るまでに様々な変遷を経たことが知られているが,現在はそれらの耐力を事前に設計的に評価することは困難である。そこで本研究は、木下地と左官技法を用いた壁体の耐力評価の方法論を実験と解析により確立し,地震被害の検証,今後の予測を可能とすることを目的とする。