Project/Area Number |
21K14292
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 23010:Building structures and materials-related
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Research Institution | The University of Shiga Prefecture |
Principal Investigator |
永井 拓生 滋賀県立大学, 環境科学部, 講師 (60434297)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2025: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2024: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2023: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2022: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2021: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
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Keywords | 竹 / 耐久性 / 経年変化 / 保護処理 / 異方性 / 力学的特性 / Boron solution / Bamboo / Round bamboo / Moisture content ratio / Bending / Brazier effect / Bamboo building / Durability / Aged deterioration / 経年劣化 / 物理的性質 / 機械的性質 |
Outline of Research at the Start |
近年、竹の建築利用に対する関心が国際的に急速に高まっている。国内においても、中山間地域の放置竹林拡大は深刻な問題であり、竹の持続的な活用は社会的にも強く要請されている。 国外において竹の物性が精力的に研究されているが、竹の耐久性や物性の劣化、経時変化については未だ研究が少なく、未発達の分野である。しかし、竹の物性の経時変化の定量的な把握は、竹構造の工学的設計、ならびに今後の竹構造の発展にとって必要不可欠である。本研究では、多くの竹を採取し、数年間に亘り竹の物性の経時変化をモニタリングする。また、竹の保全処理の有無、使用環境により、物性変化に生じる差異を明らかにし、竹の耐久性を定量的に評価する。
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Outline of Annual Research Achievements |
(1)風乾保管した丸竹の力学的特性の経年変化 曲げヤング係数については、保存期間を経るに連れて、稈直径が小さな領域ではやや増大、稈直径が大きな領域ではやや減少する傾向が見られたが、その程度は小さく、おおむね、2年以内の風乾保存では曲げ剛性に大きな変化はないと考えられる。一方、丸竹柱の座屈耐力は伐採直後と比べ風乾保存した試料では大きく増大する傾向が見られた。また、竹稈の短柱圧縮強度もやはり風乾保存を経て平均値が大きく上昇しており(伐採直後60 MPa → 1年保存80 MPa)、その他の強度も保存期間を経て全般的に増大する傾向が見られた。この理由は主として含水率の低下によるものと思われるが、一方、含水率が5~40%程度の範囲では、含水率による強度の変化はほとんど生じないことも確認できた。 (2)保護処理による竹の物性への影響 保存処理後の試験体(モウソウチク)について、化学的特性として主要構成成分、セルロース結晶化度および糖含有率の測定、ならびに力学的特性の確認を行った。ホウ酸処理は竹材の材質に影響を及ぼさないが、暴露により割れや力学的特性の低下が生じやすかった。油熱処理は高温で処理することで処理後の材質が脆性的になるものの、140℃では処理後の材質の変化が比較的小さかった。割れが生じにくく力学的特性の劣化も小さいため、耐久性に対する効果が最も高い処理方法であった。燻煙処理では、高温での処理のため材質が多少脆性的になるが、耐久性に対する効果がある程度確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度に伐採した竹について,昨年度に引き続き定期的に力学試験を実施し,物性の経時変化を観測してきている。この結果,伐採後3年以内であれば,特に保護処理を行わずとも,適切な環境下にあれば力学的性能に顕著な変化は観察されていない。また,基本的な力学的特性値の検証に加え,各種保護処理の処置直後の物性に対する影響について多角的な調査も追加して実施しており,研究は順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに各種の力学的特性の試験方法について確立を行ってきた。引き続き,初年度に伐採した竹の定期的な力学的性質の経変変化モニタリング,および保護処理した竹のモニタリングを行う。保護処理については一般的な方法(ホウ素系化合物の常温水溶液)に加え,高熱処理時の物性に対する影響を調査し,有効な保護処理方法の選定を行う。また,竹の小片部材および竹稈のクリープ特性についても実験の準備を進める。
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