Project/Area Number |
21K14554
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 30020:Optical engineering and photon science-related
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Research Institution | Osaka Research Institute of Industrial Science and Technology (2023) Kitasato University (2021-2022) |
Principal Investigator |
山根 秀勝 地方独立行政法人大阪産業技術研究所, 和泉センター, 研究員 (10867823)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2021: ¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
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Keywords | 光誘起力顕微鏡 / PiFM / 光圧 / 光物性 / 単一分子 / キラリティ / superchiral field / プラズモン / 光マニピュレーション / 離散双極子近似 / 光物性理論 / キラル分子 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、原子分解能における単一分子の光誘起力顕微鏡(PiFM)測定法の理論提案を行う。電場解析手法の一つである離散双極子近似法を、分子の波動関数をあらわに取り入れることが可能な形式に再定式化し、現実的な分子モデルを元にその光学応答を解析する。単一分子のPiFM測定について、分子と局在プラズモンとの微視的な相互作用の観点から解析し、分子の禁制遷移励起やキラリティの情報がPiFM信号としてどのように観測されるかを理論的に明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、従来の離散双極子近似法を拡張し、量子化学計算に基づく分子の波動関数を取り入れることで、単一分子の光誘起力顕微鏡(PiFM)測定を理論的に解析することを目的とした。初年度の早い段階で、分子の波動関数の情報を取り込んだ電場解析手法の実用化を早急に達成することができた。この解析手法を用いて、PiFMにおける原子スケールの分解能を理論的に実証した。また、単一分子の電子遷移の空間構造を近接場イメージングで観測可能であることを示し、光学禁制遷移の像を取得した。 分子内部の構造を波動関数から取り込むことで、局在プラズモン中のキラル分子の光学応答を厳密に解析することに成功した。これにより、分子に働く光圧や回転トルクを評価することができ、単一分子レベルのエナンチオ選択的光トラッピングの可能性を示した。また、光ピンセットと薄層クロマトグラフ(TLC)を組み合わせた新しい化学分析手法「プラズモンTLC法」についても、理論的解析を通じてその機能を実証した。 最終年度には、これまでの理論解析によるPiFM測定の知見を元に、実験研究者と共同で銀基板上のペンタセン分子膜のPiFM実験測定に成功した。ペンタセン分子膜の原子分解能PiFM像を理論的に解析した結果、基板上のペンタセン分子膜の電荷移動を検出していることを明らかにした。 単一分子のキラリティの検出に向け、3次元の電場ベクトルを計算することで金属表面直上の近接場CDの全体像を明らかにした。これにより、PiFMによる超キラル場の近接場CDの空間構造の検出手法を提案し、単一分子レベルでのキラリティ検出の新たな手法を提案することができた。
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