Project/Area Number |
21K14565
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 31010:Nuclear engineering-related
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
中野 敬太 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 J-PARCセンター, 研究職 (10883514)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Project Status |
Discontinued (Fiscal Year 2021)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2023: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 中性子検出器 / 核分裂計数管 / 重核 / ビスマス / 加速器駆動核変換システム / PHITS / 高エネルギー中性子測定 |
Outline of Research at the Start |
高レベル放射性廃棄物の処理法として、加速器駆動核変換システム(ADS)による核変換が着目されている。ADSの炉心では高エネルギー中性子が発生することから、安定制御・動作監視のために高エネルギー中性子の選択的モニター及びエネルギースペクトルの計測が不可欠である。このための検出器として、複数の重核を用いた核分裂計数管を開発する。核種毎の核分裂閾値エネルギーの違いから、検出器が感度を持つ中性子エネルギーを制御可能である。検出器の設計開発及び中性子照射試験を実施し、その結果から検出効率や応答速度等の性能を評価する。また各検出器の計数率から中性子のエネルギースペクトルを推定する手法を開発する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、加速器駆動核変換システム(ADS)の中性子モニターとして利用可能なBi核分裂計数管の開発を目的としている。今年度は、PHITSを用いたシミュレーションによりBi核分裂計数管の検出器形状や構成を最適化し、Bi核分裂計数管の設計と期待される性能の予測まで完了した。 製作するBi核分裂計数管における最適化の要素として、全体形状、サイズ、電極間距離、Bi塗布厚及び封入ガス種と圧力をピックアップした。全体形状、サイズ、Bi塗布厚に対しては中性子の検出効率及び核分裂イベントの分離性能を制約条件とし、電極間距離に対しては検出器の応答速度を制約条件とし、封入ガス種と圧力に対しては核分裂片の飛程を制約条件として、シミュレーションを行うことにより、適切な条件を導き出した。 Bi核分裂計数管の設計後は、PHITSを用いたシミュレーションにより得られた検出器の性能評価を行った。性能評価では、大強度陽子加速器施設(J-PARC)の物質生命科学実験施設(MLF)上流側のビームライン(3NBT)におけるMLFの水銀標的から180度方向に放出される中性子照射場を想定し、Bi核分裂計数管による核分裂イベントの識別性能と一定期間照射時の予想される測定イベント数を見積もった。シミュレーションの結果、高エネルギー中性子により引き起こされるBiの核分裂イベントは、ノイズや核破砕反応に起因するイベントに比べて検出器へのエネルギー付与が有意に大きく、十分な識別性能を持つことが確認できた。さらに、測定イベント数の見積もりでは、1か月あたり30万イベントの中性子検出数が見積もられ、次年度以降計画している中性子エネルギースペクトルの推定に十分な統計量が得られることが確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画において、今年度はBi核分裂計数管の製作を行う予定だったが、半導体不足等の影響を受け、製作時期を次年度に変更した。一方で、Bi核分裂計数管の設計及び照射時の統計量見積りを計画通り完了することができ、さらに、制作業者との打ち合わせによりBi核分裂計数管の製作に向けた外形やガス閉じ込め等の機械的な検討事項もクリアしている。このことから、次年度以降、すぐにBi核分裂計数管製作及び照射試験に着手することができる準備を整えているため、おおむね順調に進展していると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度以降は、Bi核分裂計数管の製作とJ-PARCにおける照射試験を行う。Bi核分裂計数管の製作では、今年度実施した設計結果やシミュレーション結果を踏まえた仕様を基に実機の製作を行う。完成したBi核分裂計数管は、性能評価シミュレーションにも用いたJ-PARCのMLF上流側のビームライン3NBTにおけるMLFの水銀標的から180度方向に放出される中性子を用いた照射実験により性能検証を行う。照射実験で十分な性能が確認できた後、Bi以外のAuやWを用いた核分裂計数管の設計及び製作に移る予定である。
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