セルロースナノファイバーとキトサンを骨格とした高強度金属除去回収ゲル材料の創製
Project/Area Number |
21K14664
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 34030:Green sustainable chemistry and environmental chemistry-related
|
Research Institution | Tomakomai National College of Technology |
Principal Investigator |
藤田 彩華 苫小牧工業高等専門学校, 創造工学科, 准教授 (90782011)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
|
Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
|
Keywords | キトサン / ハイドロゲル / 金属除去 / EDTA / 球状成形 / セルロースナノファイバー / ゲル |
Outline of Research at the Start |
重金属廃水処理やレアメタル回収における安全面の確保や資源循環問題は、持続可能な社会貢献のためにも解決しなければならない問題である。本研究では、金属と安定なキレートを形成するEDTAを導入したキトサン誘導体とセルロースナノファイバー(CNF)を骨格に持つダブルネットワーク(DN)ゲルを合成し、機械的強度の高い金属吸着ゲル材料の創製を目指す。DNゲル構造と物理特性の相関性を解明し、反復使用により材料崩壊が生じず再利用可能な材料を提供する。さらに、キトサン誘導体を変更したDNゲルを合成し、種々の金属に対応したCNF/キトサンDNゲルライブラリーを構築する。
|
Outline of Annual Research Achievements |
重金属廃水処理やレアメタル回収における安全面の確保や資源循環問題は、持続可能な社会貢献のためにも解決しなければならない。金属吸着材の一つであるハイドロゲルは三次元網目内に溶媒(水)を取り込むため溶媒と高分子鎖との接触面積が大きく、固体吸着材に比べて金属吸着効率が高い。本研究では、多糖を骨格とした金属除去回収ゲル材料の創製を目指している。多糖由来のハイドロゲルは脆く、金属吸着と脱着を繰り返す反復使用には適さない。そこで、2種類の高分子網目構造を持ち非常に機械的強度が高いダブルネットワーク(DN)ゲルを多糖のみで合成し、高強度な金属除去回収ゲル材料の創製を行うことを目的とする。 前年度までにキレート剤であるエチレンジアミン四酢酸(EDTA)をキトサンに導入したEDTAキトサンを用いたハイドロゲルの合成が完了している。キトサンを含め多糖由来のハイドロゲルは、熱可塑性や有機溶媒への溶解性が低いため成形加工性に乏しく、一度バルク合成したものを粉末化した不規則形状のものが多い。そこで、流動パラフィン中に反応溶液(水相)を注入し、撹拌による剪断力と水/油界面の表面張力により形成された液滴内で架橋反応を行うことで、EDTAキトサンハイドロゲルの球状成形合成に成功した。球状EDTAキトサンハイドロゲルは短時間で重金属イオンを水中から除去可能であることが明らかになった。また、架橋剤としてジエポキシ化合物の使用したセルロースナノファイバーのハイドロゲル合成を検討したが、分子鎖間へ架橋構造が導入されず合成に至らなかった。今後は、架橋剤の変更、セルロースナノファイバーから別の多糖に変更し、多糖のみで構成されたDNゲルの合成を目指す。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
DNゲルの合成には至っていないが、球状EDTAキトサンハイドロゲルの合成を行い、これまで難しいとされていた多糖ハイドロゲルの成形加工に成功した。また、その球状EDTAキトサンハイドロゲルの物理特性と重金属に対する吸着性評価を実施できたため。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和4年度はEDTAキトサンハイドロゲルの球状成形合成法の検討、金属吸着性評価を主として研究を実施した。今後は金属脱着性の評価を行い、重金属やレアメタル回収への適合性を実証する。また、セルロースナノファイバー以外の多糖を検討し、研究目的である多糖のみで構成されたDNゲルの合成を目指す。
|
Report
(2 results)
Research Products
(7 results)