光マイクロリアクターによる有機薄膜太陽電池用半導体材料の高選択的合成法の開発
Project/Area Number |
21K14668
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 34030:Green sustainable chemistry and environmental chemistry-related
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Research Institution | Osaka Research Institute of Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
隅野 修平 地方独立行政法人大阪産業技術研究所, 森之宮センター, 研究員 (60783272)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2021: ¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
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Keywords | フラーレン / 光フロー合成 / PCBM / フローリアクター / 光反応 / 有機半導体材料 |
Outline of Research at the Start |
フラーレンおよびその誘導体は有機薄膜太陽電池への利用が期待されており、効率的なフラーレン誘導体合成法の開発が望まれる。しかしながら、フラーレンC60が持つ30個もの多重結合への逐次反応の制御が困難であるため、所望のフラーレン誘導体を高収率かつ高選択的に得ることは難しい。本研究では、活性種の発生、およびその反応制御において、温度制御や光照射を効率的に実施することが可能な光フローマイクロリアクターを用いることで、高選択的に目的のフラーレン誘導体を合成する手法を開発する。
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Outline of Annual Research Achievements |
今年度については、フロー合成法に関する反応条件の最適化をメインとして行った。昨年度の検討において、付加原料については程度の過剰量を用いる必要があることを確認できたため、アミンの当量数の検討と、反応温度について検討を行った。今年度もフラーレン誘導体として、PCBMに着目し、収率向上の検討を行った。バッチ式での反応条件と比べて、アミンの当量数についてもある程度過剰量必要ではあったが、大過剰量を用いたところ、収率、フラーレン類の回収率が悪化する結果となった。また、付加原料・アミン共に使用量を増やすとPCBMの収率の極大値に達する滞留(反応)時間も短くなっていることが明らかとなった。これは付加原料を過剰量用いていることから、アミンの当量数を増やしても目的の反応が進行しているが、大過剰量用いた場合は、副反応も進行しやすくなっていると考えられる。 一方で、反応温度については、当初の想定とは異なり、室温よりも低い反応温度では、収率・選択性ともに低くなる結果となった。これは、バックグラウンドにある副反応の温度依存性が目的の反応よりも低く、低温にすると副反応が目立つようになったためであると想定している。そこで、反応温度を室温以上にしたところ、収率・選択性が向上した。バッチ式での反応条件と比較すると、用いる試薬の量はそれぞれ多くなっているが、本研究の目的である得られるPCBMの収率と選択性においては、共に向上しており、光フロー合成で行う効果を確認することができた。現時点での反応条件・反応装置において、1時間連続運転することで、バッチ式での合成よりも短時間かつ高収率・高選択的にPCBMが同程度の量が得られることも確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
初年度に本研究を遂行するうえで必須であったHPLCが故障し、修理に3カ月以上を要し研究が遅延したことが、本年度にも影響している。本年度については、反応条件の最適化を完了できたが、連続生産性の確認を行うことができなかったことからやや遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度としては、本光フロー合成に関する力量を確認するために連続生産の検討を行う。そのために、装置の拡大化を行い、検討する。一方で、光照射の光源の検討については、フロー合成法での検討ではなく、バッチ式での検討が簡便であったとこから、そちらにシフトする。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)