分裂酵母における新規キナーゼNnk1による寿命制御機構の解明
Project/Area Number |
21K14769
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 38020:Applied microbiology-related
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
島崎 嵩史 名古屋大学, 創薬科学研究科, 助教 (50821998)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
Fiscal Year 2021: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
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Keywords | 分裂酵母 / 経時寿命 / Nnk1 / 細胞壁ストレス / 寿命延長 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、分裂酵母における新規の寿命制御因子であるNnk1タンパク質の生理学的機能、およびその寿命制御メカニズムの解明を行う。分裂酵母は基本的な細胞内メカニズムが高等生物と類似しており、種々の寿命制御因子(カロリー制限応答、PKA、TORなど)も保存されており、優れた寿命研究モデルである。分裂酵母におけるNnk1タンパク質による寿命制御メカニズムの解明を通して、高等生物の寿命制御の理解に寄与する知見を得ることを目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では分裂酵母における新規な寿命制御因子であるNnk1タンパク質の機能解析を行なった。まず手始めにNnk1タンパク質が細胞内で機能する場所を特定するために、Nnk1タンパク質のC末端にGFPタグを融合し、その局在について蛍光顕微鏡観察を行なった。その結果、Nnk1-GFPタンパク質は主に細胞の隔壁・細胞膜・成長端に局在していることが明らかになった。この局在様式は細胞壁の合成や適切な細胞成長に寄与するタンパク質の局在と類似していたため、Nnk1タンパク質も同様の機能を持つか解析を行なった。まず、Nnk1の活性が低下した変異株に対して細胞壁合成の阻害剤を作用させたところ、この変異株は阻害剤に対して著しい感受性を示した。さらに野生株においてはこの阻害剤を作用させるとNnk1タンパク質自身がリン酸化され、さらにNnk1タンパク質の活性が細胞壁ストレス応答に重要な役割を持つPmk1 MAPKの活性化に重要であることが明らかになった。また細胞壁ストレスが存在しない条件下でも、Nnk1タンパク質の活性が低下するとPmk1 MAPKの活性も低下したことから、Nnk1タンパク質は基底レベルでのPmk1 MAPKの活性維持に重要であることが判明した。以前の申請者らの研究から、弱い細胞壁ストレスが分裂酵母の経時寿命を延長し、さらにPmk1の欠損変異株が長寿命の表現型を示すことが明らかになっているため、このNnk1の機能が寿命制御に寄与していることが考えられた。以上より、本研究によってNnk1タンパク質の新たな生理学的機能が明らかになった。
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Report
(3 results)
Research Products
(1 results)