脂溶性化合物シコニンの分泌・生産における脂質輸送タンパク質LTPの役割の解明
Project/Area Number |
21K14828
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 38060:Applied molecular and cellular biology-related
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
市野 琢爾 京都大学, 生存圏研究所, 研究員 (80796441)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | ムラサキ / シコニン / LTP / 細胞外分泌 / 特化代謝産物 / 植物特化代謝産物 / 二次代謝産物 |
Outline of Research at the Start |
薬用植物ムラサキは、根から脂溶性の赤色色素シコニンを分泌している。シコニンは小胞体で生合成された後、細胞外に分泌され、顆粒状の形態として蓄積されるが、その分泌や蓄積のしくみに関しては殆ど分かっていない。我々は、シコニン生産時に特異的な発現上昇を示す2つの脂質輸送タンパク質 (LTP) を見出した。本研究では、これらのLTPがシコニン生産・分泌にどのように関与しているのかを明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
薬用植物ムラサキは、根から脂溶性の赤色色素シコニンを生産・分泌することで、病原菌等からの防御に役立てていると考えられている。ムラサキの細胞では、シコニンは小胞体で生合成された後、細胞外で顆粒状の形態として蓄積されるが、その分泌や蓄積の仕組みに関しては殆ど分かっていない。我々はシコニン生産時に顕著な発現誘導を示す2つの脂質輸送タンパク質 (LTP) LeLTP1とLeLTP2を見出した。本研究では、ムラサキ由来のこれら2つのLTPの局在解析と生化学的解析を行い、LTPタンパク質の分子機能を明らかにするとともに、ムラサキにおいてシコニン生産への関与の有無を検証する。また、LTPと相互作用するタンパク質やLTPに発現制御される遺伝子の探索を行う。これらの実験を通して、LTPがシコニン生産・分泌にどのように関与しているのかを明らかにする。 本年度は、LeLTP2遺伝子のクローニングと発現ベクターの構築を行い、ベンサミアナタバコを用いた局在解析に供した。その結果、LeLTP2は細胞内において網目状の構造と顆粒状の構造に分布することがわかった。並行して、遠心分画とイムノブロット解析を行い、LeLTP1-GFPが膜画分と可溶性画分の両方に分布するタンパク質であることを生化学的に突き止めた。さらに、LeLTP1遺伝子を標的としたヘアピンRNA発現コンストラクトを構築し、遺伝子導入毛状根の作出を試みた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究計画に従ってムラサキLTPの機能解析を進めた。LeLTP2の遺伝子クローニングを行い、LeLTP2-GFP発現コンストラクトを作製した。本融合タンパク質をベンサミアナタバコの葉で一過的に発現させ、共焦点レーザー顕微鏡を用いて観察した。その結果、LeLTP2-GFPの蛍光分布はネットワークパターンと顆粒状構造に認められた。LeLTP1に関しては、ベンサミアナタバコで一過的に発現させたタンパク質と抗GFP抗体を用いて生化学的解析を行った。その結果、LeLTP1-GFPは膜画分と可溶性画分の双方の画分に分布することがわかった。 LeLTP1のシコニン生産における機能を調べるため、ヘアピンRNAによる発現抑制用コンストラクトを作製した。構築したコンストラクトをアグロバクテリアA13株に導入し、ムラサキ組織片に感染させた。発生した毛状根を継代・増殖させた後に、PCRによってジェノタイピングを行い、目的のコンストラクトの導入を確認した。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画に従って、LeLTPの分子機能解析とLeLTPによるシコニン生産制御機構の解明を進める。分子機能解析としては、前年度に構築済みのコンストラクトを用いて変異型LeLTPの局在解析と生化学的解析を行う。また、発現抑制毛状根からシコニン類を抽出し、そのシコニン生産量を定量する。さらに、LeLTP-GFP発現毛状根を用いた相互作用因子の探索や機能欠損株での発現変動遺伝子の網羅的探索は、各毛状根系統を確立し次第進める予定である。
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Report
(2 results)
Research Products
(7 results)
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[Presentation] ムラサキにおける細胞外ナフトキノンと分泌型ペルオキシダーゼの生理的役割2023
Author(s)
市野 琢爾, 陽川 憲, 巽 奏, 晝間 敬, 中安 大, 高松 恭子, 森吉 英子, 棟方 有桂, 杉山 暁史, 渡邊 崇人, 下村 講一郎, 渡辺 隆司, 矢﨑 一史
Organizer
第64回日本植物生理学会年会
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