Identification of genetic factors controlling Tocopherol biosynthesis pathway in soybean (Glycine max L. Merr.)
Project/Area Number |
21K14835
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 39010:Science in plant genetics and breeding-related
|
Research Institution | Japan International Research Center for Agricultural Sciences |
Principal Investigator |
朴 チョル 国立研究開発法人国際農林水産業研究センター, 生物資源・利用領域, 任期付研究員 (00886913)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
|
Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
|
Keywords | Functional food / Glycine max / Quantitative trait loci / Soybean Tocopherol / Vitamin E / Soybean / Tocopherol |
Outline of Research at the Start |
ダイズは主なタンパク質と脂質の供給源であり、機能性食品として注目されている。ビタミンEには4種類のトコフェロール(α,β,γ,δ)が含まれており、そのうち、α-Tocは最も高いビタミンE活性を持つ成分である。しかし、一般的なダイズのα-Toc含有量はトコフェロール総含量の10%未満で、他の油脂作物に比べて低く、栄養性が影響されている。本研究では、高いα-Toc含有率と低いδ-Toc含有率を示す、品種JSC765を用い、関連遺伝子の同定と、トコフェロール生合成経路を改変することで、α-Toc含有量を向上させる。得られた結果を活用して高いα-Toc含有量を持つ高機能性ダイズ品種の開発が期待される。
|
Outline of Annual Research Achievements |
ダイズは、世界の食用油消費量の約30%を占め、重要なビタミンE (トコフェロール)の供給源となっている。トコフェロールの4種類のアイソフォーム(α- Toc、β- Toc、γ- Toc、δ- Toc)のうち、α-Tocは人の体の中に最も高いビタミンE活性を持つ成分である。しかし、ダイズ種子のα-Toc含有量が低く、その栄養性が影響されている。高機能性ダイズを開発するため、種子のα-Toc含有量を増加する必要がある。本研究では、ダイズ種子のα-Toc含有率を向上させるため、既存のトコフェロール生合成に関連する遺伝子に加え、新たな生合成に関連する遺伝子(座)の同定及び機能解析を目的とする。 今年度では、これまでダイズ品種「K099」と「Fendou 16」の交雑に由来するF6世代の組換え自殖系統分離集団を用いて、トコフェロールの成分に関連するQTLクラスター(qTClu14)を検出した。qTClu14の座上するゲノム領域にメチル化に関与する遺伝子Glyma.14g132800をqTClu14の原因候補遺伝子として同定した。また、qTClu14の準同質遺伝子系統(NIL)を用いて、候補遺伝子の機能解析を行った。未成熟種子における遺伝子発現分析を行った結果、候補遺伝子はNIL間の発現量の1.7倍の差を示し、収穫後の完熟種子においては1.2倍のα+γ-Toc含有率の差をあることを確認した。本研究で同定された候補遺伝子Gyma.14g132800は、これまで確認された生合成遺伝子とは異なり、新規遺伝子であることが推定される。また、本研究で同定したトコフェロール生合成経路を制御する遺伝子と、これまで確認されたα-Toc生合成に関与遺伝子(γ-TMT3など)の集積系統が作成され、高機能性ダイズ育種素材の創出が期待されている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
今年度では、ダイズ品種「K099」と「Fendou 16」に由来する組換え自殖系統分離集団においてトコフェロールの含有量と含有率に関連するQTLクラスター(qTClu14)を検出した。qTClu14を座上するゲノム領域にメチル化に関与する遺伝子Glyma.14g132800をqTClu14の原因候補遺伝子として同定した。また、DNAマーカー選抜によりqTClu14の準同質遺伝子系統(NIL)を作成し、候補遺伝子の機能検証を行った。未成熟種子における遺伝子発現分析を行った結果、候補遺伝子はNIL間の発現量の1.7倍の差を示し、収穫後の完熟種子では1.2倍のα+γ-Toc含有率の差を示すことを確認した。本研究で同定された候補遺伝子Gyma.14g132800は、ダイズのトコフェロール生合成経路において、前駆物質であるMPBQ(2-methyl-6-phytylquinol)からDMPBQ(2,3-dimethyl-6-phytylquinol) への生合成に関与し、これまで確認された生合成遺伝子とは異なり、新規遺伝子であることが推定される。また、本研究で同定したトコフェロール生合成経路を制御する遺伝子と、これまで確認されたα-Toc生合成に関与遺伝子(γ-TMT3など)の集積系統を作成するため、「Fendou 16」と「KAS」の交雑後代に対してDNAマーカー選抜により2つの遺伝子を集積したダイズ系統を作成した。これらの結果により、実験計画当初の目的が達成されている。
|
Strategy for Future Research Activity |
元親品種(K099、Fendou 16)およびqTClu14のNILにおける候補遺伝子Gyma.14g132800の塩基配列並びに遺伝子ゲノム構造の解析を行い、候補遺伝子がトコフェロール生合成を制御する機構を解明していく。また、引き続き本研究で同定されたトコフェロール生合成経路を制御する新規遺伝子Gyma.14g132800と既存遺伝子の集積系統を作製・選抜していく。作成した集積系統対して、α-Toc含有率を評価し、各遺伝子の効果を確認するとともに、高いα-Toc含有率を持つ高機能性ダイズ育種素材の創出を目指す。
|
Report
(2 results)
Research Products
(1 results)