Project/Area Number |
21K14854
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 39040:Plant protection science-related
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
湊 菜未 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (60843430)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2021: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
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Keywords | plant virus / insect vector / ウイルス / 昆虫伝染 / ムギ類 |
Outline of Research at the Start |
植物ウイルスの約65%は昆虫によって伝搬される。昆虫媒介性ウイルスは自身の感染拡大のため媒介昆虫の宿主選好性を巧みに操作することで伝搬効率を高めていることが知られているが、そのメカニズムについては不明な点が多い。本研究では、ムギ類作物に感染して収量を激減させる虫媒性ウイルスを対象にムギ類モデル植物を駆使して植物ウイルスによる昆虫の宿主選好性操作における分子メカニズムを明らかし、植物ウイルスが農業生産現場において与えるインパクトを病害・虫害の両面から解明することを目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
植物ウイルスの約65%は昆虫によって伝搬される。昆虫媒介性ウイルスは自身の感染拡大のため媒介昆虫の寄主選好性を巧みに操作することで伝搬効率を高めていることが知られているが、選好性操作にはたらくウイルス因子や忌避物質の関わりなどそのメカニズムについては不明な点が多い。本研究課題では、コムギ・オオムギなどのムギ類作物に感染して収量を激減させる虫媒性ウイルスBYDV-PAVおよびCYDV-RPSを対象にムギ類作物とモデル植物ミナトカモジグサを駆使して植物ウイルスによる昆虫の寄主選好性操作における分子メカニズムを明らかし、植物ウイルスが農業生産現場において与えるインパクトを病害・虫害の両面から解明することを目指す。 2023年度において報告者は、ミナトカモジグサおよびコムギを宿主植物種として二種の黄萎ウイルスBYDV-PAVおよびCYDV-RPSについて媒介昆虫であるアブラムシおよび非媒介昆虫であるアカヒゲホソミドリカスミカメの寄主選好性に与える影響を実験室内および圃場環境の2か所で解析し、(i) オルファクトメータを用いた実験よりBYDV-PAVおよびCYDV-RPSの共感染時においてウイルスによる昆虫の寄主選択行動の変化には嗅覚刺激が重要な役割を果たすこと、(ii) 非媒介昆虫は圃場環境においてウイルス単独感染植物に対する寄主選択行動を変化させにくいこと、 (iii) 媒介昆虫は2種ウイルスを体内に高率に同時保毒できることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2023年度においては二種の宿主植物種(ミナトカモジグサおよびパンコムギ)について本邦産ウイルスBYDV-PAVおよびCYDV-RPSの単独感染および共感染が媒介昆虫および非媒介昆虫の寄主選択行動に及ぼす影響について比較し、ウイルスによる昆虫の寄主選好性操作について圃場環境においても解析を進めることが出来た。またBYDV-PAVについてウイルス保毒による媒介昆虫アブラムシの寄主選好性変化における植物由来嗅覚刺激の重要性が明らかとなり、媒介昆虫におけるウイルス2種の共保毒についても解析を進めていることから、順調に進捗していると判断される。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度の延長期間においてはウイルス感染に伴う植物由来揮発性有機化合物の組成変化について、2023年度に検討した解析条件で実験を進める。またこれに加えて、ウイルスの媒介昆虫操作戦略が非媒介昆虫に与える影響について圃場レベルでも2年度目の解析を進める予定である。
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