Project/Area Number |
21K14856
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 39040:Plant protection science-related
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
深田 史美 岡山大学, 資源植物科学研究所, 特任助教 (80740414)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
|
Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
|
Keywords | 植物サイトカイン / イネ / RALF / 内因性ホルモン様ペプチド / イネいもち病菌 / 耐病性 / ROS |
Outline of Research at the Start |
植物は病原菌から身を守るために、緻密な免疫システムを備えている。免疫応答を引き起こす新たな因子として、内因性のホルモン様ペプチド、いわゆる植物サイトカインが注目を集めているが、その免疫応答に関わる詳細な分子メカニズムは未だ不明な点が多い。本研究では、申請者らが新規に同定したイネにおける植物サイトカインRALF7に着目し、RALF7が制御するシグナル伝達の鍵因子の同定、およびRALF7によって誘導される細胞内膜輸送と植物免疫との関連を分子レベルで解明する。
|
Outline of Annual Research Achievements |
(達成課題1)サイトカインRALF7によるシグナル伝達の鍵因子の同定 RALF7ペプチドがPTI反応を誘導することから、その下流のシグナル伝達の鍵因子を同定する事を目的とした。植物は病原菌の構成成分をパターン認識受容体で認識すると、受容体様細胞質キナーゼ等のシグナル伝達の鍵因子を活性化して、活性酸素の産生、免疫応答関連遺伝子の発現誘導により免疫反応を引き起こす。当該年度は、糸状菌のPAMPsであるキチンを受容するパターン認識受容体であるCERK1、その下流の受容体様細胞質キナーゼであるBSR1に着目した。CERK1およびBSR1ノックアウトの植物体を入手し、培養細胞を作成してRALF7ペプチドを添加したところ、CERK1およびBSR1ノックアウトでは野生株と同程度に活性酸素種を産生する事が示された。よって、RALF7ペプチドが誘導するPTIにおいてCERK1およびBSR1は重要な役割を果たす因子ではないと推察された。現在、RALF7と低分子量Gタンパク質OsRac1、またOsRac1を活性化するGEFであるOsRacGEF1との関与を検討するために、これらの遺伝子のノックアウト植物体を作製している。
(達成課題2)サイトカインRALF7による細胞内膜輸送を介した植物の免疫制御機構の解明 予備的実験においてRALF7が細胞内膜輸送の一種であるエクソシスト複合体関連遺伝子の発現を誘導していたことから、RALF7と細胞内膜輸送との関連を解明する事を目的とした。前年度行った大規模RNAseq解析より、RALF7ペプチドが誘導する細胞内膜輸送関連遺伝子を解析したところ、3つのエクソシスト複合体構成遺伝子の発現が有意に上昇していた。さらに、RALF7-DRUS1受容体の下流で、細胞内小胞輸送での膜融合に関わるシンタキシンをコードする遺伝子が発現制御されている事が明らかとなった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(達成課題1)サイトカインRALF7によるシグナル伝達の鍵因子の同定については、CERK1およびBSR1ノックアウト体を用いた解析により、少なくともRALF7が誘導するPTI反応において、これらの遺伝子が関与していない可能性を示すことが出来た。 (達成課題2)サイトカインRALF7による細胞内膜輸送を介した植物の免疫制御機構の解明については、予備実験の再現性が認められ、RALF7が細胞内膜輸送関連遺伝子の発現調節を担っている可能性を示す事が出来た。 ノックアウト植物体作製に時間を要したことから、一部の計画に関しては想定よりも進捗が遅れているが、全体計画としては、RALF7が誘導する免疫制御系の一端を明らかにしつつあることから、概ね順調と評価した。
|
Strategy for Future Research Activity |
当該年度に作製したシグナル伝達および細胞内膜輸送関連遺伝子のノックアウトイネおよび培養細胞を用いて、免疫応答への関与を評価し、RALF7ペプチドとの関連性を解析する。さらに、前年度に行った大規模なRNAseq解析の結果を再評価し、RALF7ペプチドとその免疫応答、細胞壁代謝、細胞内膜輸送への関与を明らかにする。
|
Report
(2 results)
Research Products
(11 results)