Project/Area Number |
21K14869
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 39060:Conservation of biological resources-related
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Research Institution | Lake Biwa Museum |
Principal Investigator |
田畑 諒一 滋賀県立琵琶湖博物館, 研究部, 主任学芸員 (00793308)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2023: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2021: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
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Keywords | 淡水魚 / MIG-seq / mtDNA / 系統地理 / 遺伝的集団構造 / 日本 / 水族館 / 生息域外保全 / 東アジア / ゲノミクス / 保全 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、ゲノムワイドな核DNA情報を用いて、日本を中心とした東アジア地域の淡水魚類多種の遺伝的集団構造の把握と保全戦略の策定を検討する。本研究では、 (a)日本を中心とした東アジア地域に生息する淡水魚類多数種のゲノミクス系統地理・遺伝的集団構造解析、(b)各地の水族館・動物園系統保存個体および博物館収蔵標本の遺伝解析の2つのテーマを並行して行い、それらを統合して、各地の保全活動の取り組み状況などの情報を加えて、各種や地域個体群の保全優先度、保全戦略を示すマップ:日本産淡水魚類の保全戦略マップの作成を行う。これを基に各地の水族館や動物園、行政、研究機関などへの働きかけを行っていく。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、ゲノムワイドな核DNA情報を用いて、日本を中心とした東アジア地域の淡水魚類の多数種を対象にした遺伝的集団構造の把握と保全戦略の策定を検討する。種内における遺伝的に固有な地域集団(遺伝的集団)を把握することは、生物多様性の保全や生物資源の管理には必要不可欠である。申請者はこれまでミトコンドリアDNA (mtDNA)を用いた琵琶湖産魚類を中心とした淡水魚の系統解析や遺伝的集団構造把握、進化生物学的研究を行い、その中で比較のために用いた核ゲノム解析から複数の種における核ゲノムとmtDNAによる遺伝的集団構造での不一致を見出してきた。これまで多くの生物でmtDNAによる分析が行われてきた。そのため、現在、各地で行われている生息域外保全、系統保存がmtDNAデータに基づいており、申請者が見出してきたmtDNAと核ゲノムの不一致から考えれば、地域集団の、ひいては種の絶滅を防ぐためには、核ゲノムデータを用いた真の遺伝的集団構造も加味した保全戦略を策定することが緊急の課題となっている。 本年度は、これまでに実施した種の補完的な実験に加えて、新たに複数の種類についてMIG-seq法を用いた系統地理解析および集団遺伝分析を行った。その中には水族館等で継代飼育している個体群の素性が本当に正しいのか、また今後個体群の入れ替えを行う際に元の個体群がきちんと管理されていた個体群(交雑個体が入っていない個体群)かを確かめたものに加えて、今後の野生復帰の際の検討材料になる種も含まれている。一部種群については、学会などで発表を行ったが、本年は所属施設で起きた大型水槽の破損事故の対応に忙殺されており、論文投稿など研究の完遂ができなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本年度も順次実験や学会での発表を進めてきたが、2023年2月に発生した所属の博物館の水族展示室の大型水槽破損事故の原因調査や撤去作業、展示室再開、他の破損水槽のアクリル交換工事、新規作成水槽の設計業務への対応にあたっている等、当初計画の目標よりも、採集調査の回数や実験種数・個体数が少なくなっている。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き分析予定の種群について、分析を進めていく。分析に着手していない種についても、分析用標本やDNA試料は概ね揃っているものが多いため、分析に着手していく時間さえ確保できれば、挽回は可能と思われる。また実験・解析補助員の確保により、実験・解析を進めていく。
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