Project/Area Number |
21K14873
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 39070:Landscape science-related
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Research Institution | Osaka Metropolitan University (2022-2023) Osaka Prefecture University (2021) |
Principal Investigator |
松尾 薫 大阪公立大学, 大学院農学研究科, 准教授 (60815926)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2021: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
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Keywords | 都市高温化 / 人口減少 / 低未利用地 / 土地利用 / GIS / 海風 / 緑地 / WRF |
Outline of Research at the Start |
都市高温化に伴う様々な問題の発生と人口減少による低未利用地増加の背景を踏まえ、都市内低未利用地を都市冷却効果が発揮される自然資源として保全・整備するための計画手法を確立することを本研究の目的とする。具体的には、1)都市気候特性ゾーニングを行い、そのゾーン毎に都市高温化緩和に資する低未利用地を評価(都市環境気候図を作成)すること、2)低未利用地の将来予測シナリオを用いた数値解析を行い、都市高温化緩和の視点から「どのような場所を自然資源として優先的に保全・整備していくべきか?」という、現場で都市づくりを担う人達に効率的に伝える支援ツール、低未利用地の保全・整備優先度評価マップを作成することである。
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Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は、メソ気象モデルWRFを用いた堺市の将来土地利用シナリオ下の夏季の気候再現数値シミュレーションを行い、いずれのシナリオも都市から緑地に転換したエリアは現状よりも気温が低減したが、シナリオによって分布傾向が大きくことなることがわかった。2023年度は、MSSGモデル(Multi-Scale Simulator for the Geoenvironment)を用いた気候再現数値シミュレーションを行った。MSSGはメソスケールでの都市気候の再現に重点をおいたWRFと比較して、よりミクロなスケールでの都市気候の再現が可能である。 1つ目は大阪府の梅田地区を対象に、うめきた2期開発における緑地整備が周辺の熱環境へ与える影響を可視化した。結果としてうめきた2期開発の大規模緑地整備による高温化緩和効果と、高層のビル群が建つことによる風速増加エリアの拡大とが重なり、冷涼な風が吹くことが確認できた。JR大阪駅の南側などでは高温部分が依然として残るが、今後、人々の利用が増加することが予測されるうめきた地区周辺では、扇町公園や靭公園などの大阪市の代表的な公園・緑地と同程度の気温帯が広がり、熱環境の改善が見込まれる。 2つ目は神戸市・三宮地区を対象に、熱環境緩和のための緑地整備と海風活用をどこでどのように行うことが効果的かを明らかにした。神戸市・三宮地区の将来の熱環境改善のため、海風は沿岸部で建物の除却や分棟化、V字型配置をすることで一定誘導することができ、さらに周辺を公園・緑地にして植栽を施すことでその場所の気温を下げることができるが、誘導の範囲は限定的であり、より詳細な検討が必要である。また内陸部で建物間に空地を確保することで、地上部に向けて上空の海風を誘導することができた。緑地整備は、内陸部での車線減少や街路樹・植栽の増加がその場所の気温低減に効果的であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初予定していた、「低未利用地の将来予測シナリオの作成」、「低未利用地の将来予測シナリオを入力条件とした対象地における夏季の気候再現数値シミュレーション」を実施することができたが、MSSGモデルを用いた堺市での気候再現数値シミュレーションは実施できていないため、「(3)やや遅れている。」と判断した。「気温観測データの入手及び分析」は継続して実施することができ、「低未利用地の将来予測シナリオの作成」は解像度5mのレベルまで精度をあげることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、2021~2023年度に得た観測データとMSSGモデルの結果を用いて「低未利用地の保全・整備優先度評価マップの作成を行う。2023年度はMSSGモデルを用いて熱環境の再現性を確認した。2024年度は、その成果を活かし堺市を対象に、今後の人口減少時代を想定して、堺市の現在の低未利用地の分布、及び町丁別の将来人口予測を用いて、低未利用地の将来予測シナリオを複数作成し、それぞれの低未利用地の発生予測状況を地理的空間上で視覚化する。解像度の高いMSSGモデルの結果から、どのような場所の低未利用地をどの程度、保全・整備すれば良いかを評価し、その結果を用いて、低未利用地の保全・整備優先度評価マップを作成する。
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