Project/Area Number |
21K14882
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 40010:Forest science-related
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Research Institution | Forest Research and Management Organization |
Principal Investigator |
森 英樹 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 研究員 (80827551)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | ツル植物 / クローン成長 / 生活史戦略 / つる植物 / クローン成長戦略 / 木本性つる植物 |
Outline of Research at the Start |
木本性ツル植物は、明るい林冠へ垂直方向に、暗い林床で水平方向にクローン成長する。しかしながら、ツル植物の生活史において、これらの異なる方向への成長をどのように使い分けているのかはほとんど明らかになっていない。そこで本研究は、垂直成長してから水平に広がるフジ型と、水平に広がってから垂直成長するイワガラミ型を対比させ、(1)日本のツル植物がフジ型とイワガラミ型に類型化できるか、(2)クローンである登攀個体と林床個体の間でそれぞれの戦略から予測される養分移動が生じているか?を明らかにすることで、垂直・水平方向へのクローン成長におけるツル植物の生活史戦略を解明する。
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Outline of Annual Research Achievements |
ツル植物のクローン成長戦略の解明のため林床および登攀個体の遺伝構造を推定した結果、林床で匍匐して水平成長する種と匍匐せずに樹木間を乗り継ぎ水平成長する種が存在することが示唆され、垂直成長優先型と水平成長優先型に大別されることが明らかになった。これは森林におけるツル植物の個体増加の予測に貢献する。垂直・水平方向を使い分ける木本つる性植物のクローン成長戦略を解明するために、これまでにクローン成長戦略を明らかにしてきた温帯林に自生する木本つる性植物4種に加えて、8種(ミツバアケビ、ツルウメモドキ、サルナシ、ヤマブドウ、マツブサ、ツルアジサイ、テイカカズラ、フウトウカズラ)を選定し、RAD-seq由来のSNPやSSRなどに基づき林床および登攀個体の遺伝構造を推定した。ラメット間の養分移動を推定するために、フジのジェネットに窒素安定同位体(トレーサー)を付与し、ラメットごとに葉をサンプリングしたが、分析機器等の問題により現在も分析中である。当初想定していた種を概ね網羅し垂直・水平方向へのクローン成長戦略に類型化することができた。遺伝構造を推定した結果、サルナシなど3種は林床でクローン成長をほとんど行わない垂直成長優先型であり、その他テイカカズラなどの種は林床で優先的にクローン成長する水平成長優先型であることが明らかになった。つる植物は林床で顕著に匍匐するため、林床でのクローン成長が大型個体でのみ行われる垂直成長型(フジ型)に該当する種は少ないと考えていたが、結果的にはフジ以外にサルナシなど3種が垂直成長優先型であることが示唆される結果となった。垂直成長優先型は最大直径が大きい種が多く、クローン成長戦略はデモグラフィーや生活史戦略を反映していることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
遺伝構造の推定に関しては計画通り進めることができた。同位体分析は分析機器の不調から遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
DNA分析のライブラリー準備では制限酵素を用いる方法を採用したが、植物個体の葉が採取できないケースもあるため、今後はPCRベースの方法を採用することが望ましいと考えられた。 同位体分析については初めて行ったこともあり、課題が多数見つかった。自然林の大型個体は、地上部および地下部の分布域を正確に把握できないため、今後のトレーサーを付与する実験を行う場合は、よりコントロールされた地上部と地下部が明確な個体を選ぶ必要があると考えられた。
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