Project/Area Number |
21K14885
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 40010:Forest science-related
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Research Institution | Forest Research and Management Organization |
Principal Investigator |
北川 涼 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (70868067)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | 森林構造 / 森林 / 多様性 |
Outline of Research at the Start |
生態系の保全や管理を施策する上でも、景観スケールで生物多様性が維持されるメカニズムを理解する必要がある。多様な生息環境が生物多様性を支えていることは広く知られているが、森林生態系の樹木の多様性を対象にこのことを実証した例は意外にも少ない。なぜなら、これまでの森林の多様性についての研究は、比較的均一な数haの森林内部のメカニズムに着目しており、尾根や谷など森林景観内の多様な環境を網羅するほどの広域を対象にしていないからである。本課題では、これまで局所的な範囲に限られていた樹木多様性が維持されるメカニズムについての理解を数Km2に及ぶより広域の森林景観全体に拡張することを目的とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
本課題では、全国各地の小面積多地点調査区データを収集し、統合的な解析を行う。これによって、これまで局所的な範囲に限られていた樹木多様性が維持されるメカニズムについての理解を数km2に及ぶより広域の森林景観全体に拡張することを目的とする。そのために景観内の多様性メカニズムに対する環境の異質性と空間構造の相対的重要性について全国の全国各地の小面積多地点調査区データを対象に解析し、これまでの比較的均一な数haの森林を対象に研究されてきた森林の多様性メカニズムの規定要因との違いを明らかにする。本課題で対象としている森林景観内の多地点の調査データは、事例は少ないものの、申請者が取得したデータ含め全国各地で取得されている。しかし、調査方法やデータの形式はそれぞれ異なる。そこで、本年度は前年度に引き続き、それらを解析可能な形式に統一するためのデータの整備をおこなった。さらにデータの整備が完了している調査地を対象に、斜面の傾斜や凹凸度などの地形の構造を表現する変数を抽出し、調査地点間の地形構造を比較した。この結果では神奈川県丹沢山地に設置された調査地はより急傾斜で同一面積内の地形の起伏が激しいことが示された。また、それらの地点において森林構造と地形の関係について基礎的な解析を行った結果、複雑な地形構造を示す調査地では胸高断面積の合計や種数といった森林構造の指標が地形の形状を示す変数によって説明される割合が大きいことが示された。この結果は急峻な地形に成立する森林ほどその空間的なパターンが成立する地形構造の影響を強く受けていることを示唆している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
申請者の体調不良、前年度に半導体不足などの影響による解析環境整備の遅れ、等の影響によって、本年度は予定していた解析を完了することができなかったため、期間を一年延長し来年度も引き続き解析作業を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度に完了しなかったデータの整備を引き続き行い、今年度に行った解析を他地域も対象に行う。一部欠損データについて新たに実際に調査を行った研究者に問合せデータの不備を補う。申請者の体調不良、今年度見つかったデータの不備、前年度に半導体不足などの影響による解析環境整備の遅れ、等の影響によって、本年度は予定していた解析を完了することができなかったため、期間を一年延長し来年度も引き続き解析作業を行う予定である。
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