魚類の体温調節時における外界との熱交換及び体内の熱移動の解明
Project/Area Number |
21K14918
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 40040:Aquatic life science-related
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
中村 乙水 長崎大学, 海洋未来イノベーション機構, 助教 (60774601)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2023: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2021: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
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Keywords | 外温性魚類 / 体温調節 / 温度生態 / 熱交換 / バイオロギング / 心拍数 |
Outline of Research at the Start |
外温性の魚類は外界の水温を使って体温を調節しているが、体温調節の際に外界との熱の交換を調節していることが明らかとなってきた。本研究は、外温性魚類の複数箇所の体温を計測することで、体温調節時の魚類の体温変化の様子を体内での熱の伝搬も含めた熱拡散モデルを用いて評価することを目的とする。また、心拍数を計測することで熱の交換の調節に血流が寄与するという仮説を検証し、魚類と温度環境との関わりの理解を深めることを目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
外温性の魚類は外界の水温を使って体温を調節しているが、体温調節の際に外界との熱の交換を調節していることが明らかとなってきた。外温性魚類の複数箇所の体温を計測することで、体温調節時の魚類の体温変化の様子を体内での熱の伝搬も含めた熱拡散モデルを用いて評価することを目指した。昨年度の結果から、水温によって体温が低下していく際に体表側の体温が体深部側の体温に先行して低下する以外に、体深部側の体温の方が先行して低下する現象が観測された。今年度は、体温計測場所を3箇所に増やし、マンボウ3個体から野外における体温変化のデータを得ることができた。その結果、水温によって体温が変化する際に体深部の体温が最も速く変化し、変化幅も大きいという結果が得られた。得られたデータを元に魚体内の熱の移動を考慮した熱拡散モデルを作成したところ、水温の体深部への流入と分厚い皮の大きな断熱性によりこのような体温変化を再現することができるということがわかった。また、全身熱交換係数と同様に、熱拡散率も体温上昇時と体温低下時で異なることが示唆された。しかし、個体間で部位ごとの体温変動の仕方に差が見られ、これは個体の体サイズの違いや体温計の挿入位置のずれに起因すると考えられる。今後は、計測個体数を増やすとともに、体温の計測場所の均一化を目指す。また、熱拡散率の変化に対して血流が関係している可能性を考え、心電図を取得する方法の開発と野外での心電図の計測を試みる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
外温性魚類の体内の温度勾配をより詳細に観測するために体温計測部位を3箇所に増やすことができ、野外での体温変化から熱拡散モデルを作成することはできたが、熱拡散率の変化の要因を特定するための野外で心拍数を計測する手法の開発が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の放流実験により、体深部の体温が水温に最も大きく影響を受け、変化する幅も大きいことが示唆された。しかし、個体間で部位別の体温変動の仕方に差があり、体サイズの違いや体温計の挿入位置のずれに起因すると考えられた。今後は、計測個体数を増やすとともに、体温の計測場所の均一化を目指す。また、熱拡散率を血流によって制御している仮説を検証するために、心電図を取得する方法の開発と野外での心電図の計測を試みる。 計測した心電図から心拍数を求め、熱拡散率が血流によって変化していることの証拠を得ることを目指す。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)