Project/Area Number |
21K14930
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 41010:Agricultural and food economics-related
|
Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
佐藤 秀保 東洋大学, 食環境科学部, 准教授 (70805118)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
|
Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
|
Keywords | 農産物貿易 / 自由貿易協定 / 代替の弾力性 / メタ分析 / 貿易の利益 / 応用一般均衡分析 / 機械学習 / 国際貿易 |
Outline of Research at the Start |
FTA締結による貿易障壁の撤廃がもたらす「貿易の利益」を高精度で予測することは,政策的にも重大な課題である.特に国内に目を向ければ,農業部門における一部の財において高い関税率が課せられており,FTA発効による影響の精緻な予測が望まれる.本研究では,将来のFTAを想定し,財価格・需給,所得,および労働・資本・土地の価格・需給といった「貿易の利益」と密接に関係する諸変数を高い予測精度の期待されるAI技術,特に複数の予測値間の相互関係性を考慮可能な機械学習手法による予測を行うことである.また,従来の計量経済学的なパラメータ推定とCGEモデルを用いた予測との比較を通じ,結果の乖離の程度を定量的に示す.
|
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の開始から2年目となる2022年度は,主に貿易自由化の政策シミュレーションでキー・パラメータとみなされている代替の弾力性を中心とした需要の諸弾力性について,国内外の文献を整理し,得られた点推定値がいかなる要因によって説明されるかという点に主眼を置いて研究を進めた.とりわけ,国際的な学術雑誌では日本を対象国とし,かつ農産物を財として諸弾力性の推定を試みた論文がほとんどみられず,一方で国内のローカル誌では毎年様々なジャーナルでそれらの値が報告されている.これらの日本語で記述された研究成果をグローバルに共有する意義は大きいため,国内の文献を中心に諸弾力性値を被説明変数,他の要因(需要推定の際にトレンド項をいれているか,特定の期間のショックに対するダミー変数を入れいているか,分析期間はどのくらいか,需要関数の積分可能性に関する検定を行った結果はどうか,など)を説明変数としたOLS推定によるメタな分析を試みた.未だ限られた文献を対象にしかできず思うような結果が得られなかったが,サンプル・サイズを大きくすることで,より有益な結果が期待できる.なお,本分析の着想は比較的最近出版されたBajzik et al.(2020)が3,500を超える代替の弾力性の推定値についてメタ分析を行い,出版バイアスを考慮した上でおよそ中央値で3.8という結果を報告したことに影響を受けている(しかし,Bajzik et al.では農産品はほとんど含まれておらず日本を対象とした推定もわずかしか含まれていない).
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2021年度の研究実施報告書における「今後の研究の推進方策」では,①MLによる貿易モデルの学習を進めること,②計量経済学的手法による代替の弾力性の推定を進めること,③データとして最新のGTAPデータベースのライセンスを購入するとともにCGEモデルによる分析のための準備を進める(それに伴いSource-Code GEMPACKを購入する)こと,をあげていた. ③については予算の支出計画に基づきGTAPデータベースのライセンス,Source-Code GEMPACKを購入し環境を整えているが,一方で②の弾力性推定として「研究実績の概要」で既述のメタ分析を行うための文献整理に時間を大きくとられてしまった.当初は年度末のアジア農業経済学会(東京開催)において本研究成果を報告予定でアブストラクトの提出を行ったものの,フルペーパーを書き上げるにはいたらずに,成果をまとめ発表することができなかった.2023年度は本研究をかたちにし,並行して①についての推定を進めたい.
|
Strategy for Future Research Activity |
上述のように,弾力性のメタ分析を進めると同時に,財を一部の主要農産物にしぼった上でMLによる予測モデルを構築する.特に,多くの経済変数を一度に考慮すると時間がかかりすぎるので,まずは貿易フローをとりあげてその予測精度を論じる研究を行う.
|