Project/Area Number |
21K15011
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 42040:Laboratory animal science-related
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
吉田 純子 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (30769196)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2021: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
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Keywords | 神経分化異常 / zinc finger protein / 1細胞解析 / 神経デフォルトモデル / 分化抵抗性 / ES細胞 / adult neurogenesis / 順遺伝学 / 神経発生・分化 / 生体神経新生 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、申請者らが独自に開発した順遺伝学的方法によって同定した機能未知のジンクフィンガー遺伝子の神経分化における機能解析を行うことを目的としている。 申請者らは、本遺伝子の破壊ES細胞株が、神経分化誘導に対して極めて強い抵抗性を示すことを見出し、さらに本遺伝子の強制発現によって神経分化が顕著に促進されることも明らかにしてきた。 研究期間内に,①ES細胞の分化、②個体発生および③成体脳での神経幹細胞の未分化維持と分化機構の3項目について解析を行い、将来的にはdirect reprogrammingへの応用など再生医療への貢献を目指したい。
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Outline of Annual Research Achievements |
申請者は、変異に伴いマウスES細胞の分化に異常をきたす機能未知のzinc finger protein(Zfp)遺伝子を同定し、その機能解析を進めてきた。その過程で、本Zfp遺伝子は特に神経分化に重要な機能を果たしていることがわかった。また、1細胞RNA-seq解析の結果、本Zfp遺伝子の破壊ES細胞では胎盤方向へ分化する細胞集団が存在することを突き止めた。哺乳類の初期発生における最初の細胞系譜分岐は、やがて胎児となる胚方向または胎盤方向への分化であるが、本Zfp遺伝子がその系譜決定時に重要な役割を果たしている可能性が示唆された。 そこで、本Zfp遺伝子による神経分化制御の分子メカニズムを詳細に調べるために、本Zfp遺伝子と相互作用する分子を質量分析で調べたところ、別のZfp遺伝子が、鍵となる遺伝子の候補として同定された。さらにこの別のZfp遺伝子が、ES細胞の多能性制御において重要な役割を果たしているOct4と三次元的に共局在していることが免疫染色の結果から判明した。1細胞RNA-seq解析の結果からも、本Zfp遺伝子の破壊ES細胞でOct4の発現上昇を認めている。 Oct4、本Zfp遺伝子、本Zfp遺伝子と相互作用している別のZfp遺伝子の3者による多能性維持や分化における遺伝子発現制御機構について、現在ChIP-seqとHiChIPによって解析することを試みている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初予定していた、マウス個体における本Zfp遺伝子の機能解析、およびヒトiPS細胞における本Zfp遺伝子のホモログ(ZNF遺伝子)の破壊株の作製において遅れが生じている。理由は、マウスES細胞を用いた本Zfp遺伝子の分子メカニズムの解明の方に、当初予定していたよりも多くの労力とコストがかかっているためである。
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Strategy for Future Research Activity |
本Zfp遺伝子とOct4という多能性制御に重要な分子との関連性を発見しているので、引き続き、本Zfp遺伝子産物とOct4との物理的または機能的な相互作用を中心に解析を進める予定である。方法としては、(1) Oct4、本Zfp遺伝子、本Zfp遺伝子と相互作用している別のZfp遺伝子の3者のChIP-seqを行い、3者による遺伝子発現制御機構を同定する。(2)ライブセルイメージングによって上述の3者の挙動を解析する。(3) 野生型ES細胞及び本Zfp遺伝子の破壊株を用いて、H3K4me3とH3K27acのHiChIP解析を行い、特にOct4が強く関与しているエンハンサー領域とプロモーター領域におけるゲノム三次元構造の違いについて、解析を行う予定である。 ヒトiPS細胞でのホモログZNF遺伝子のノックアウト株作製も引き続き進め、神経分化誘導時の経時的遺伝子発現の推移を調べ、マウスでの遺伝子ネットワークと比較することで機能解析を進めていく。
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