Theoretical study of the aggregation inhibition process of polyglutamine peptide by arginine
Project/Area Number |
21K15059
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 43040:Biophysics-related
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Research Institution | Center for Novel Science Initatives, National Institutes of Natural Sciences (2022) Institute for Molecular Science (2021) |
Principal Investigator |
谷本 勝一 大学共同利用機関法人自然科学研究機構(新分野創成センター、アストロバイオロジーセンター、生命創成探究, 生命創成探究センター, 特別研究員 (30883566)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2022: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | タンパク質凝集 / 神経変性疾患 / アミロイド / ポリグルタミンタンパク質 / 凝集阻害 / 分子動力学シミュレーション / 拡張アンサンブル法 / アルギニン |
Outline of Research at the Start |
神経変性疾患の一つであるポリグルタミン病は、長いグルタミン鎖を含むポリグルタミンタンパク質が凝集し、神経細胞内に蓄積することで発症する。アミノ酸の一つであるアルギニンがポリグルタミンタンパク質の凝集を阻害することが新たに見出されたが、そのメカニズム及びアミノ酸の中でアルギニンだけが凝集阻害効果をもつ要因は解明されていない。 本研究ではアルギニンがポリグルタミンタンパク質の凝集を阻害するメカニズムと、アミノ酸の中でアルギニンだけが凝集阻害効果をもつ要因を解明することを目的とする。また、他のアミノ酸の計算結果との比較からアルギニンだけが凝集阻害効果をもつ要因を解明する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、神経変性疾患の一つであるポリグルタミン病を引き起こすポリグルタミンタンパク質(polyQ)の凝集をアルギニンが阻害するメカニズム、及びアミノ酸の中でアルギニンだけがpolyQに対する凝集阻害効果をもつ要因を、理論的に解明することを目的としている。2022年度は2021年度に引き続いて、polyQのモノマーに対するアルギニンの凝集阻害効果のメカニズムの解明に向けたシミュレーション研究に取り組んだ。系として、1.polyQのモノマーのみを含む水溶液系、2.polyQのモノマーの周囲にアルギニンを多数配置した水溶液系、3.polyQのモノマーの周囲にリジンを多数配置した水溶液系の三種類作成し、分子動力学シミュレーションを実行して、得られたトラジェクトリを解析した。シミュレーション手法として、拡張アンサンブル法の一つであるレプリカ置換法を適用した。 分子内βシート構造の形成確率を計算したところ、対象とした三種類の水溶液系の間に明確な差は見られなかった。一方で、polyQと接触するアルギニンまたはリジンの個数を計算した結果、リジンよりもアルギニンの方がpolyQと接触する個数が多いことが分かった。この結果は、アルギニンは他のアミノ酸よりもpolyQの近傍に多く存在することでpolyQのモノマーが他のモノマーと相互作用するのを防ぎ、凝集を阻害していることを示唆している。さらに、polyQとアルギニンまたはリジンとの間に形成される水素結合について解析したところ、アルギニンの方がリジンよりも多くの水素結合をpolyQとの間で形成し、なおかつ、二つのアミノ酸の側鎖の構造の違いが水素結合の数の差に大きく影響を及ぼしていることが明らかとなった。以上のことから、アミノ酸の中でアルギニンだけがpolyQに対する凝集阻害効果をもつ要因を明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
タンパク質の凝集過程に関しては、まず分子内でβヘアピン構造をとり、それが分子間でのβシート構造を誘発する、と一般的に考えられている。そのため当初は、アルギニンがpolyQの分子内βヘアピン構造の形成を阻害することが他のアミノ酸にはない、アルギニンの凝集阻害効果だと考えていた。しかし、実際にはそうではなく、アルギニンが他のアミノ酸よりも多くpolyQの近傍に存在することが凝集阻害の原因であることを発見した。この結果は、これまでに無い新しい凝集阻害メカニズムであり、この分野に大きなインパクトを与えると考えられる。以上の理由により、進捗状況を「おおむね順調に進展している」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
polyQのモノマーのシミュレーション結果を論文にまとめて発表する。それと並行して、アルギニンがpolyQのオリゴマー形成を阻害するメカニズムを明らかにするために、オリゴマーの最も簡単なモデルとしてpolyQのダイマーを対象とし、ダイマーのみを含む水溶液系、ダイマーとアルギニンを含む水溶液系及びダイマーとリジンを含む水溶液系に対してもモノマーのときと同様のシミュレーションを実行する。
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Report
(2 results)
Research Products
(20 results)