• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to previous page

植物の細胞間情報伝達を司る生理活性糖鎖AMORによる糖鎖シグナリングの解明

Research Project

Project/Area Number 21K15119
Research Category

Grant-in-Aid for Early-Career Scientists

Allocation TypeMulti-year Fund
Review Section Basic Section 44030:Plant molecular biology and physiology-related
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

郡司 茜 (水上茜)  東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 特任助教 (00778558)

Project Period (FY) 2021-04-01 – 2025-03-31
Project Status Granted (Fiscal Year 2023)
Budget Amount *help
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2022: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2021: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
Keywords糖鎖 / 糖鎖シグナリング / AMOR / トレニア / 花粉管 / 植物 / 受精 / AGP / アラビノガラクタンタンパク質 / 植物糖鎖シグナリング
Outline of Research at the Start

植物の受精が達成されるためには、めしべに受粉した花粉から伸びる花粉管が、標的の胚のうへと正しくガイドされることが必須である。我々はこれまでに、花粉管に胚のうからの誘引物質への応答能を与える胚珠由来の生理活性糖鎖AMORを同定した。しかし、依然としてAMORの生合成経路や作用機構、相手細胞での細胞内シグナリングなど「植物糖鎖シグナリング」の本質ともいうべき多くのことが解明されていない。そこで本研究では生理活性糖鎖AMORを突破口に、情報分子としての糖鎖が、植物細胞間情報伝達でどのような重要性をもち、いかにして情報伝達を担うのかという「植物糖鎖シグナリング」を解明することを目指す。

Outline of Annual Research Achievements

植物の細胞壁に多量に含まれる糖鎖を介した細胞間シグナリングは、極めて重要と想定されてきたにも関わらず、これまでよく知られていなかった。このような中、我々は被子植物トレニアにおいて花粉管に胚のうからの誘引物質への応答能を付与する胚珠由来の因子AMORがアラビノガラクタン(AG)糖鎖であることを同定した。AG糖鎖は植物特有の糖タンパク質で細胞壁中に多量に存在するAGタンパク質の糖鎖部分である。有機化学合成を用いた解析から、AMORの活性中心がAG糖鎖の末端に存在するメチルグルクロノシルガラクトースであることを明らかにした。しかし、依然としてAMORの生合成経路や作用メカニズム、相手細胞での細胞内シグナリングなど、植物糖鎖シグナリングの本質ともいうべき多くのことが解明されていない。
本研究計画では、AMORの生理活性部位として同定したメチルグルクロノシルガラクトース(AMOR二糖)に着目し、その糖鎖シグナリングを明らかにすることを目指している。
これまでにAMORの普遍性を検証するために、トレニアの近縁種であるウリクサ花粉管でもAMOR二糖と反応することで胚珠に対する誘引能が上昇することが明らかにした。さらにメチルグルクロノシルガラクトースのモノクローナル抗体を作出し、シロイヌナズナにおいてグルクロン酸メチル基転移酵素を欠失した変異体を作製している。今年度はAMORの花粉管に対する形態学的な解析を行った。その結果、AMORを含まない培地条件下では、培地上で発芽して伸長した花粉管も、花柱を通過して培地上を伸長している花粉管もどちらもカロースプラグが形成される間隔に差はなかった。一方で、AMORを含んでいる培地では、花柱を通過した花粉管のみカロースプラグの形成が促進されるというAMORの新たな機能が明らかになった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

本年度は、AMORが花粉管に与える新たな変化として、花柱を通過した花粉管のカロースプラグの形成を促進することを明らかにした。さらに、化学合成したAMOR二糖でもカロースプラグの形成が促進され、AMOR二糖が多価になるほどnative AMOR(胚珠からの滲出液に含まれているAMOR)の値に近くなる傾向が見られた。この結果と、AMOR誘導体(AMOR二量体、三量体、四量体)のAMOR活性の計測結果とを合わせて論文にまとめることができた(Mizukami et al., BioRixv, doi: https://doi.org/10.1101/2024.01.30.574946)。。しかし、シロイヌナズナの花粉管に対するAMORの普遍性に関する実験を進めることができなかったため、次年度ではこの解析を中心に行いたい。

Strategy for Future Research Activity

次年度は、今年度できなかった、シロイヌナズナの花粉管に対するAMORの普遍性を明らかにする。すでに作出したグルクロン酸メチル基転移酵素の二重変異体において、メチル基の有無を確認した後に、その表現型を詳細に解析する。さらにメチルグルクロノシルガラクトースを始めとする各種糖鎖の変異体についても同様に検証する。

Report

(3 results)
  • 2023 Research-status Report
  • 2022 Research-status Report
  • 2021 Research-status Report
  • Research Products

    (6 results)

All 2024 2023 2022

All Journal Article (1 results) (of which Open Access: 1 results) Presentation (5 results) (of which Int'l Joint Research: 2 results,  Invited: 1 results)

  • [Journal Article] Cluster effect through the oligomerisation of bioactive disaccharide AMOR on pollen tube capacitation in<i>Torenia fournieri</i>2024

    • Author(s)
      Mizukami Akane G、Kusano Shuhei、Hagihara Shinya、Higashiyama Tetsuya
    • Journal Title

      bioRxiv

      Volume: - Pages: 574946-574946

    • DOI

      10.1101/2024.01.30.574946

    • Related Report
      2023 Research-status Report
    • Open Access
  • [Presentation] ネジバナ受精説の観察的検証2023

    • Author(s)
      福村薫、水上茜、中島耕大、鈴木孝征、東山哲也
    • Organizer
      第35回日本植物形態学会
    • Related Report
      2023 Research-status Report
  • [Presentation] トレニア属ウリクサの野外集団間交雑時に現れる受精異常2023

    • Author(s)
      八廣遥斗、奥田哲弘、水上茜、東山哲也
    • Organizer
      第35回日本植物形態学会
    • Related Report
      2023 Research-status Report
  • [Presentation] 野生蘭ネジバナとその近縁種における単一受精の検証2023

    • Author(s)
      福村薫、水上茜、中島耕大、鈴木孝征、東山哲也
    • Organizer
      第87回日本植物学会
    • Related Report
      2023 Research-status Report
    • Int'l Joint Research
  • [Presentation] The mystery of plant double fertilization tackled from familiar Non-Model plants.2022

    • Author(s)
      水上茜 東山哲也
    • Organizer
      第55回 日本発生生物学会
    • Related Report
      2022 Research-status Report
  • [Presentation] The mystery of plant double fertilization tackled from familiar Non-Model plants2022

    • Author(s)
      水上茜、東山哲也
    • Organizer
      発生生物学会
    • Related Report
      2021 Research-status Report
    • Int'l Joint Research / Invited

URL: 

Published: 2021-04-28   Modified: 2024-12-25  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi