Molecular mechanisms for commitment to oogenesis
Project/Area Number |
21K15133
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 44040:Morphology and anatomical structure-related
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
菊地 真理子 名古屋大学, 理学研究科, 助教 (20845135)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 生殖細胞 / 性決定 / fbxo47 / 卵形成 / メダカ |
Outline of Research at the Start |
生殖細胞が卵になるか精子になるかの運命決定は有性生殖を行う生物にとって極めて重要である。申請者のメダカを用いた研究から、ユビキチンリガーゼFBXO47が卵形成へのコミットメントに重要であり、その過程では卵形成経路と精子形成経路がせめぎ合っていることが示された。この性的拮抗関係においてFBXO47がメス性を確立していく仕組みを明らかするために、質量分析法を用いてFBXO47のユビキチン化基質を同定する。これと同時に、FBXO47のノックダウンおよび卵巣ライブイメージングの系を確立し、卵形成コミットメントに伴う細胞形態や染色体動態の変化を明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
生殖細胞が卵あるいは精子に分化する過程では、卵形成経路と精子形成経路が拮抗的に働くことで分化運命を決定していると考えられる。本研究は、この性的拮抗関係において、ユビキチン化因子FBXO47がメス性を確立していく仕組みを明らかにすることを目的としている。 これまでにfbxo47変異体メダカの生殖細胞では染色体が異常な凝縮を示し、生殖細胞の性的運命がメスからオスに転換することが明らかになっていた(Kikuchi et al., 2020, PNAS)。2022年度は、卵巣の初代培養系、ライブイメージング系、さらにAIDノックダウン系を統合して、FBXO47が染色体動態を制御している可能性に迫った。 初代培養系では、コラゲナーゼにより酵素的に乖離した生殖腺をガラスボトムディッシュに播き、培養2―3日目にディッシュ底面に固着した生殖細胞をスピニングディスク共焦点顕微鏡でライブイメージング観察した。DNAはSiR-DNA核染色試薬で、減数分裂期染色体はsycp3-egfp遺伝子をゲノムに導入することで可視化した。さらに、ライブイメージング画像から生殖細胞の核内動態を定量的に解析する方法を確立した。 AIDノックダウン系では、生殖細胞でオーキシン依存性ユビキチンリガーゼTIR1を発現するolvasp-AtTIR1トランスジェニック(Tg)系統を作製し、AIDタンパク質のオーキシン依存的分解効率を調べた。Tgメダカ胚を用いた実験から、生体ではオーキシンの浸透率が低く、高濃度のオーキシンに暴露するか、あるいはオーキシンを直接体内に注入するなどの工夫が必要であることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ライブイメージング系によるfbxo47変異体の表現型解析に向けた準備は順調に進んでいる。2022年度は、sycp3-egfpトランスジェニックメダカを用いた減数分裂期染色体の動態解析が完了した。これにより、定量的解析方法の確立と野生型の雌雄生殖細胞における核内動態に関する基盤的データが揃った。 一方、FLAG抗体によるFBXO47の免疫沈降計画は想定外の事象により停滞している。2021年度には、fbxo47-3xFlagノックインメダカ系統を作出した。しかしながら予想に反して、ノックインアレルをホモに持つ個体はfbxo47変異体と同じ表現型を呈することが新たに判明した。いくつかの実験から、fbxo47-3xFlagアレルからの転写は正常に行われるが、mRNAからの翻訳が阻害されていることが示された。同様の現象は、独立して作出した複数のノックイン系統で認められており、生殖系列において外来のDNA配列をもつmRNAが何らかの仕組みで検知され、翻訳抑制機構が働いたものと考えられる。このためノックイン技術をメダカ生殖系列に適用することが現状困難と判断し、現在はFBXO47抗体による免疫沈降を行うために抗体作製に取り組んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
FBXO47の免疫沈降計画については、FBXO47抗体の作製と特異性の検定を引き続きおこない、抗体が得られ次第免疫沈降を進める。当初の計画では、免疫沈降にfbxo47-3xFlagノックイン系統の卵巣を用いる予定であったが、有用な系統の作出に成功しなかったため計画を変更する。免疫沈降では野生型からタンパク質を抽出し、FBXO47抗体を用いて免疫沈降およびWesternblottingによるFBXO47の検出をおこなう。WBでFBXO47が検出された野生型サンプルを質量分析にまわす。ネガティブコントロールとしてfbxo47変異体の卵巣を用いる。 2022年度に観察した野生型での核内染色体動態をベースに、fbxo47変異体で同様のイメージング解析をおこない、野生型と比較して染色体動態におけるfbxo47の寄与を明らかにする。sycp3-egfp; fbxo47変異体卵巣を用いてライブイメージングを行い、染色体動態を野生型データと合わせて比較定量する。 AIDノックダウン系については、トランスジェニック胚を用いたオーキシン投与条件の検討を続ける。現在オーキシン濃度を50 uMまであげてもノックダウンの効果が得られていないため、100 uMオーキシンへの暴露と、胚体内へのオーキシンインジェクションを試みる。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)