菌類の子実体発生様式から共通形質と形態多様化のプロセスを探る
Project/Area Number |
21K15155
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 45030:Biodiversity and systematics-related
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
橋本 陽 国立研究開発法人理化学研究所, バイオリソース研究センター, 特別研究員 (10824435)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2021)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2025: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 系統進化 / ontogeny / 分子系統解析 / 子のう菌門 |
Outline of Research at the Start |
形態的に著しい多様化が進んでいる菌界では科内の形態な共通性を見いだすことが困難である。これまで菌界最大のグループである子のう菌門の科の定義には分子系統解析の結果が重視されてきたが、この手法は系統の類縁性を再現するに過ぎず、多様化における根源的な共通性や違いを見いだすためには異なる手法の必要性が考えられた。 本研究では従前の科の概念にはなかった子実体発生様式の過程に注目した新たな系統指標の尺度を与え、以下の課題を解決する。① 形態が著しく多様化した科の共通性の探索、② 収れん進化した科の根源的な違いを示す。本研究により、菌類の安定した分類体系の基盤構築の新しい方向性を示すことが出来ると考えられる。
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Outline of Annual Research Achievements |
形態的に著しい多様化が進んでいる菌界では共通祖先から派生した単系統群内での形態な共通性を見いだすことが困難であり、目や科レベルの共通派生形質の推定や探索は常に困難を極めている。特に、菌界最大のグループである子のう菌門の高次系統における単系統性の定義には分子系統解析の結果が重視されてきたが、この手法は系統の類縁性を再現するに過ぎず、多様化における根源的な共通性や違いを見いだすためには異なる手法の必要性が考えられた。 本研究では従前の科の概念にはなかった子実体発生様式の過程に注目した新たな系統指標の尺度を与え、以下の課題を解決目標とする。① 形態が著しく多様化した科の共通性の探索、② 収れん進化した科の根源的な違いを示す。 初年度はコロナの影響で出張が制限されている中で予定通りの調査を進めることはできなかった。そこで子のう菌門の無性世代でしばしば観察される極めて単純化した酵母様形質に注目して単系統群内での酵母様形質の形成様式と菌糸発達様式の形態学的類型化や系統群間での形態学的差異の類型化を中心に研究を進めた。 結果として、分離した酵母様サンプルがおよそ700株、子実体由来の標本サンプルがおよそ120標本収集された。それらのうち酵母サンプルについてはリボソームDNA配列ITSおよびLSU 領域の決定し、子実体由来の標本サンプルは半数近くの決定を終えた。 器材調達が遅れたため、切片観察は当初の予定から大幅に遅れたが、染色技術の最適化を行うことで次年度以降の効率的な切片観察をする予備データを得ることができた。類似した酵母様細胞の形成において主にリボソーム配列に基づく分子系統解析の結果と先行研究の観察に基づき、酵母様細胞形成の発達様式について系統ごとの形態学的な類型化を試みている。 本研究課題の達成度は、予定進捗に変更はあったものの全体としては進行していると判断した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本課題は5年間の計画で進めている。初年度である本年度は老朽化した器材の更新と観察用の試料の収集を進める予定であった。しかしながら、コロナの緊急事態宣言などにより、器材の調達や国内で採集調査が滞ってしまった。そこで本年度は当初の計画では2,3年度に予定をしていた酵母細胞の形成と菌糸発達様式に切り替えることで対応した。研究の進捗は前後したものの、全体としては概ね順調に進むことになった。 出張が制限されている中で予定通りの調査を進めることはできなかったが、分離した酵母様サンプルがおよそ700株および子実体由来の標本サンプルがおよそ120標本収集することができた。それらのうち酵母サンプルについてはリボソームDNA配列ITSおよびLSU 領域の決定することができ、子実体由来の標本サンプルは半数近くの決定を終えた。ミクロトームの老朽化とその更新は前述のように器材調達が遅れたため、切片観察は当初の予定から大幅に遅れたが、染色技術の最適化を行うことで次年度以降の効率的な切片観察をする予備データを得ることができた。加えて、予定を変更して進めた酵母様菌類の観察ではクロイボタケ目、カプノジウム目、ケートリチウム目における類似した酵母様細胞の形成において主にリボソーム配列に基づく分子系統解析の結果と先行研究の観察に基づき、酵母様細胞形成の発達様式について系統ごとの形態学的な類型化を試みている。 以上のことから、本研究課題の達成度は、予定進捗に変更はあったものの全体としては進行していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
菌界全体の網羅的な子実体発生様式を類型化するためには観察用試料の増強と観察、および核遺伝子のマーカー配列を継続的に決定する必要がある。特に本年度で最適化した菌類の切片用の染色技術により無色の細胞についても効率的で明瞭な観察が可能になったため、予備サンプルを含めて早急に切片作成を行う。核遺伝子のマーカー配列についても核リボソーム配列だけでは高次系統の推定には不十分なため、単一コピー領域の決定を進める。子実体発生様式と遺伝子解析の結果を包括的に捉えた上で、子のう菌門の形態形質の進化パターンを明らかにする。次年度では各系統内における子実体発生様式のパターンを論文として公表することを目標とする。 COVID-19 の影響は拭えないものの、今年度は初年度に調査できなかった採集調査を継続して行うことでサンプルを増やす事に注力したい。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)