神経性セロイドリポフスチン症の原因遺伝子欠損に基づくオートファジー新規役割の解析
Project/Area Number |
21K15198
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 46020:Anatomy and histopathology of nervous system-related
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
山口 隼司 順天堂大学, 大学院医学研究科, 助教 (30875282)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | リソソーム / オートファジー / カテプシンD / p62 / Atg7 |
Outline of Research at the Start |
神経性セロイドリポフスチン症(NCL)の神経細胞内にはリポフスチン顆粒を有する異常リソソームが蓄積する。これまでの予備実験の結果から、異常リソソームは選択的オートファジーにより処理されている可能性が示唆された。本研究では、NCLにおけるオートファジーの役割を明らかにすることを目的に、NCLモデルマウスとオートファジー機能不全マウスの中枢神経系特異的両欠損マウス(CTSD/Atg7 Nestin Cre)を作成して、オートファジー機能不全条件下におけるNCL病態変化について解析する。また、本研究課題ではCTSD欠損神経細胞内に蓄積する異常リソソームの経時的変化についても併せて解析を進める。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、神経性セロイドリポフスチン症(NCL)のモデルマウスであるカテプシンD(CTSD)欠損マウスの脳内に蓄積する異常リソソームとオートファジーとの関連について解析を進めている。CTSD欠損マウス神経細胞内に認められる肥大化した異常リソソームの表面近傍にはユビキチンやp62が集積する。また、一部の異常リソソームはオートファゴソーム様の二重膜構造に取り囲まれることから、これらの異常リソソームは選択的オートファジーの標的となる可能性を示してきた。令和4年度には、p62とリソソームマーカータンパク質であるLamp1等がほとんど共局在しないことを明らかにした。そこで、所属研究室にて開発したIn resin CLEM法を用いてp62陽性構造とLamp1陽性構造の違いを解析したところ、p62は外膜構造が変性した異常リソソームの表面近傍に集積していることを見出した。また、新たに習得したオスミウム浸軟法を用いた解析から、異常リソソームの内容物は密に凝集した構造であることが分かった。これらの結果から、CTSD欠損マウスで認められる異常リソソームは、内容物の凝集と外膜構造の変性が生じた後、ユビキチンやp62の集積を介してオートファゴソーム様二重膜構造に取り囲まれる可能性が示唆された。加えて、CTSD欠損マウスの臓器間の違いについても検討を加えた。生後23日齢のマウスを用いた解析から、p62は脳や脊髄では増加するが、心臓、肝臓、腎臓等の他の臓器では野生型と比較して有意な変化がないことが分かった。これらの研究結果について国内学会にて発表した。また、中枢神経系特異的CTSD単独欠損マウスの脳内へのユビキチンやp62等の蓄積については、令和4年度に共同筆頭著者として論文投稿した。さらに、以降の解析結果については現在論文を作成している段階である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和4年度は、実験計画段階で予定していた通り、より高精度での光顕/電顕の位置相関を可能にするIn-resin CLEM法を習熟させて、p62陽性構造に生じる変化について明かにすることが出来た。さらに、細胞内オルガネラの膜構造を解析するために有用なオスミウム浸軟法についても習熟する事ができ、異常リソソームの内容物の変化についても示すことが出来た。これら各種技法の習熟や当初予定していなかった解析を加え進捗が遅れたため研究期間を延長したが、オートファジー機能不全モデルを掛け合わせたAtg7/CTSD両欠損マウスで見られる変化とともに令和5年度中に論文投稿が可能であると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
予想外の結果と追加の解析によって細かい点では実験の方針を変更してきたが、大筋は変わらずかなりの部分は解析できた。現在、最終の詰めの段階であり令和5年度中には研究成果を論文投稿できると考えている。
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Report
(2 results)
Research Products
(8 results)