神経細胞のin vivo長期動態追跡による大脳皮質モジュール構築機構の解明
Project/Area Number |
21K15199
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 46020:Anatomy and histopathology of nervous system-related
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Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
中川 直樹 国立遺伝学研究所, 遺伝形質研究系, 助教 (30835426)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
Fiscal Year 2021: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
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Keywords | 大脳皮質 / 神経回路形成 / in vivoイメージング / バレル皮質 / 単一細胞動態追跡 |
Outline of Research at the Start |
大脳皮質感覚野の第4層にはモジュール(単位回路)の並列構造が存在し、感覚情報の高解像度での識別を可能にする。モジュールごとの特異的な回路配線は出生直後には見られず、生後発達期に末梢から伝わる神経入力を受けて構築される。本研究では、第4層神経細胞がモジュールごとにクラスターを形成するマウス体性感覚野バレル回路の特長を利用して、個々の神経細胞が所属すべきモジュールを決定する過程を“細胞の動き”から読み解く。生体イメージングによる細胞動態追跡と神経活動操作、機能的スクリーニングを駆使して、第4層神経細胞の移動パターンとその神経活動依存的な制御機構を解明し、大脳皮質並列回路の構築機構を明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、大脳皮質第4層(L4)神経細胞がモジュール(単位回路)ごとにクラスターを形成するマウス体性感覚野バレル回路の特長を利用して、個々の神経細胞が生後発達期に所属すべきモジュールを決定する過程を“細胞の動き”から読み解くことを目指した。 2022年度までに、二光子顕微鏡in vivoイメージングを用いて、L4神経細胞のバレル形成過程での動態追跡を行い、基本的な細胞移動パターンを明らかにするための定量解析手法の開発を進めた。具体的には、生後発達期の脳の拡大による受動的な細胞位置変化を補正し、バレル形成に寄与する能動的な細胞移動成分のみを抽出するための細胞位置補正法の開発を行った。実際には、バレル形成期にあたる生後3日齢(P3)からP6までの足掛け4日間、24時間間隔でイメージングを行い、バレル皮質L4神経細胞の空間分布を座標化した。脳の局所的な拡大率をもとに細胞位置を補正する手法を考案し、これを用いて、各タイムポイントのL4神経細胞の座標を補正した。これによって、各タイムポイント間のL4神経細胞の位置の比較、すなわち移動距離や移動方向の解析が可能となった。 2023年度は、上記の細胞位置補正法のさらなる改善を行った。特に、脳の局所ではなく、視野全体の拡大率を考慮して細胞位置を補正する新しい補正法を考案した。これによって、よりバイアスのないL4神経細胞の動態解析が可能となった。さらに、イメージングで得られるL4神経細胞の移動パラメータの妥当性を検証するためのコンピュータシミュレーションの開発を進めた。改良版の補正法を用いたイメージングデータの解析と、シミュレーションを組み合わせることによって、所属モジュール選択過程のL4神経細胞の動きのパターンが明らかとなることが期待される。
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Report
(3 results)
Research Products
(8 results)