酵素変異体-蛍光基質による2価マンガンのシグナル増強型検出法
Project/Area Number |
21K15246
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 47020:Pharmaceutical analytical chemistry and physicochemistry-related
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Research Institution | Tohoku University (2022) Kobe Pharmaceutical University (2021) |
Principal Investigator |
高嶋 一平 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教 (50769742)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2021: ¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
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Keywords | シグナル増強 / タンパク質工学 / 酵素-基質ペア / マンガン / 蛍光プローブ |
Outline of Research at the Start |
本研究でのマンガン検出方法は、マンガンに結合して活性化する「酵素変異体」、本酵素特異的な「基質分子(蛍光プローブ)」を用いて、マンガン存在下でのみ進行する酵素反応を介したプローブ分子の蛍光変化によって生体内のマンガンを検出する手法である。本手法では酵素基質が内因性酵素では切断を受けないが、上記のマンガンで活性化された酵素変異体では切断を受けるので、生体内のマンガンを酵素反応による基質の蛍光変化で選択的かつ高感度に検出できる。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では生体内で必須元素であるマンガンの挙動解析技術を確立し、本元素の未知の生体内機能を解明することを目指す。その解析技術として、マンガンに結合して活性化する酵素変異体と本酵素特異的な蛍光性基質を合成し、本酵素-基質ペアによるシグナル増強型の検出方法を開発する。本酵素変異体はマンガンとニッケルを補因子としており、マンガンはμMオーダーで酵素に結合して活性化するのに対して、ニッケルはmMオーダーの高濃度を必要とするため、実質的に生体内ではマンガン選択的な酵素活性のスイッチングを実現可能と推測した。また本合成基質は立体的嵩高さによって内因性酵素による非特異的な応答を抑える工夫を行った。本年度では研究代表者の異動に伴って、タンパク質発現系および評価系での実験環境の調整に務めた。その間に本酵素の設計を見直し、マンガン配位サイトに類似したHisタグ部位によるマンガン検出能への影響について着目し、Hisタグを有さない酵素変異体を新たに調製している。今後は本タンパク質の評価により、Hisタグ部位によるマンガン駆動での酵素活性への影響を確認していく。また同時に設計済みの酵素について発現と精製を行い、これら酵素における金属間での選択性(酵素活性)を評価し、予想どおりにマンガン選択的な酵素活性のスイッチングを確認できた。また基質分子の合成も完了しており、今後は酵素-基質ペアでのマンガン検出を評価しながら基質分子の構造最適化を行ったのちに細胞系でのマンガン検出を実現していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本課題研究を進めるために必要なツールのペアのうち、酵素変異体の調製は完了して評価段階に研究を進めている。今後は本評価を進めながら合成基質の構造最適化を行い、最適なペアを用いて細胞実験へと進める必要がある。昨年度は研究代表者の異動の関係で研究に必要な環境の整備に時間を要したので当初の計画から遅れることとなった。しかし昨年度での研究環境の整備によって、本年度は加速して研究を進めることができる。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度までに時間を要するタンパク質の発現・精製がほぼ完了し、本年度は合成基質の構造最適化を進めることができる。評価と再設計を繰り返して前期(4-9月)中には構造最適化を終了する。また一方で前期は他プロジェクトの都合で研究を行う時間が十分に得られない。そこで技術員を雇用し、上記の評価について指導を行う。本技術員に協力してもらいながら研究を進めていく予定である。後期には哺乳類細胞での本酵素の発現用プラスミドを調製し、細胞内マンガン挙動の可視化解析方法を早期に確立する。年度末には本手法を学会や国際学術誌に発表して周知していく。
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Report
(2 results)
Research Products
(9 results)