ゲノム編集技術を用いた消化管吸収・代謝・毒性を予測可能な腸管モデルの作製
Project/Area Number |
21K15264
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 47030:Pharmaceutical hygiene and biochemistry-related
|
Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
根来 亮介 立命館大学, 薬学部, 助教 (10844045)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
|
Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
|
Keywords | CRISPR-Cas9 / Caco-2 cell / CYP3A4 / UGT1A1 / ゲノム編集 / 消化管代謝 |
Outline of Research at the Start |
医薬品候補化合物のヒトでの消化管吸収・代謝・毒性を予測するために、Caco-2細胞を用いたin vitro試験が汎用されている。しかしながら、Caco-2細胞は、消化管吸収性 (Fa) をある程度予測できるものの、薬物代謝酵素であるCYP3A4及びUGT1A1がほとんど発現していないため薬物代謝特性 (Fg) 及び薬物代謝に起因する毒性を予測することはできない。 本研究では、ヒト成人小腸の薬物代謝能に匹敵するCaco-2細胞を作製するために、ゲノム編集技術を用いて、CYP3A4及びUGT1A1発現カセットをノックインすることで、新たな腸管モデルを構築する。
|
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は、CYP3A4・UGT1A1安定発現Caco-2細胞およびCYP3A4・UGT1A1*6安定発現Caco-2 細胞を用いて、薬物代謝能の評価を行った。その結果、CYP3A4・UGT1A1安定発現Caco-2細胞およびCYP3A4・UGT1A1*6安定発現Caco-2 細胞におけるCYP3A4代謝能は、野生型Caco-2細胞に比べ極めて高い値を示した。さらに、その活性は、CYP3A4阻害能を有する抗真菌薬イトラコナゾールおよびグレープフルーツジュースの成分でありCYP3A4阻害能を有するベルガモッチンの作用により阻害された。同様に、CYP3A4・UGT1A1安定発現Caco-2細胞およびCYP3A4・UGT1A1*6安定発現Caco-2 細胞におけるUGT1A1代謝能も、野生型Caco-2細胞に比べ極めて高い値を示した。興味深いことに、CYP3A4・UGT1A1*6安定発現Caco-2 細胞におけるUGT1A1代謝能は、CYP3A4・UGT1A1安定発現Caco-2細胞に比べ低い値を示した。 以上の結果より、ゲノム編集技術を用いて、機能的なCYP3A4・UGT1A1安定発現Caco-2細胞を作製することに成功した。また、UGT1A1*6 のUGT1A1活性を反映したCYP3A4・UGT1A1*6安定発現Caco-2 細胞を作製することに成功した。さらに、CYP3A4・UGT1A1安定発現Caco-2細胞およびCYP3A4・UGT1A1*6安定発現Caco-2 細胞は、薬物-薬物間相互座用および薬物-食品間相互作用を予測できる可能性が示唆された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年度は、研究計画の通り、CYP3A4・UGT1A1安定発現Caco-2細胞およびCYP3A4・UGT1A1*6安定発現Caco-2 細胞の薬物代謝能の評価が完了した。従って、おおむね順調に進展している。
|
Strategy for Future Research Activity |
2023年度は、CYP3A4・UGT1A1安定発現Caco-2細胞およびCYP3A4・UGT1A1*6安定発現Caco-2 細胞の薬物代謝能が、ヒト小腸と比べてどの程度の活性を有しているのか、ヒト小腸S9をポジティブコントロールとして用いて、より詳細な薬物代謝能の評価を行っていく。
|
Report
(2 results)
Research Products
(6 results)