Project/Area Number |
21K15305
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 47060:Clinical pharmacy-related
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Research Institution | Josai University (2022-2023) Hoshi University (2021) |
Principal Investigator |
北岡 諭 城西大学, 薬学部, 助教 (50824778)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2021: ¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
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Keywords | ジアゼパム / リポソーム / 薬物動態 / 胎児 / 胎児移行性 |
Outline of Research at the Start |
子癇発作は、妊婦死亡につながる重篤な疾患であり、高齢出産の増加に伴いその罹患者数は増加の一途をたどっている。子癇発作の治療には、抗けいれん薬ジアゼパムが用いられているが、我々は、母体にジアゼパムを投与した場合、代謝物オキサゼパムが胎児へと移行しやすいことを明らかにした。加えて、オキサゼパムは胎児-羊水間の循環系によって胎児中に蓄積することも明らかにした。以上の結果をもとに、本研究では、ジアゼパムをPEG修飾リポソーム製剤化することでジアゼパム自体の胎盤透過性を低下させるとともに、母体肝臓におけるジアゼパムからオキサゼパムへの代謝を低減できるか否かを明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
子癇発作は、妊娠高血圧症候群の合併症の一つであり、先進諸外国の妊婦死亡要因の一つとなっている。子癇発作の治療には、抗けいれん薬の一つであるジアゼパムが用いられているが、研究代表者らの先行研究は、ジアゼパムを妊娠マウスに投与すると代謝物オキサゼパムは羊水へと移行しやすく、胎児中に蓄積することを明らかにした。オキサゼパムはジアゼパムがcytochrome P450(CYP)2C19およびCYP3A4による2段階の代謝反応を受けることで生じるが、オキサゼパム自体も過去には抗不安薬として認可されていたことから、オキサゼパムは薬理作用を維持していることが知られている。すなわち、オキサゼパムが母体から胎児に移行・蓄積した場合、胎児に何らかの副作用を生じさせることが危惧される。 以上の背景下、本研究課題では、ジアゼパムをリポソーム製剤化することにより母体肝臓中におけるジアゼパムからオキサゼパムへの代謝を抑制することによりオキサゼパムの母体から胎児への移行量を減少させることができるのかを明らかにすることを目的とする。 2023年度は、 ジアゼパムのPEG修飾リポソーム製剤化に関する検討をおこなった。リポソームの調製方法は薄膜法を採用し、細流化には超音波法を用いた。しかしながら、調製したジアゼパムのリポソーム製剤の粒子径をゼータサイザーを用いて測定したところ、目的とする100 nmより大きい値(1000 nm前後)を示した。その後、超音波時の温度、時間等の条件を検証したが、改善が認められなかったことから細流化の方法を超音波法からエクストルーダー法に変更した。その結果、粒子径100 nm程度のリポソームを調製出来た。 2024年度は、調製したリポソーム製剤と製剤化していないジアゼパムをそれぞれ妊娠マウスに投与し、ジアゼパムおよびその代謝物の母体から胎児への移行性を検討する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
PEG修飾リポソーム製剤の調製に期間を要してしまったため、妊娠マウスを用いた薬物動態学的解析を行うことが出来なかった。2024年度は、動物実験を中心に行い、妊娠期に用いる製剤としての有用性を明らかにしたいと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、2023年度に調製したジアゼパムのPEG修飾リポソーム製剤を用いた薬物動態試験を実施する予定である。具体的には、ヒトの妊娠中期に相当する妊娠14日のマウスにジアゼパムおよびそのPEG修飾リポソーム製剤を2.0 mg/kgの投与量で尾静脈より投与し、各時間毎に解剖し、母体血液、胎児および羊水を採取する。これらのサンプルは、固相抽出で前処理し、LC-MS/MSでジアゼパムおよびその代謝物を定量する。定量結果を薬物動態解析ソフトを用いて解析し、各薬物動態学的パラメータを算出し、評価する。
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