ベクトリアル輸送に基づく薬剤性腎障害機構の解明及び筋肉との臓器連関
Project/Area Number |
21K15323
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 47060:Clinical pharmacy-related
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
佐々木 将太郎 東邦大学, 薬学部, 講師 (50780300)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Discontinued (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | トランスポーター / pH依存性 / 薬剤性障害 / 有機アニオン / 尿細管再吸収 / 薬剤性腎障害 / 薬剤性筋障害 / 薬物輸送担体 |
Outline of Research at the Start |
本研究の目的は、腎臓、筋肉における薬物のベクトリアル輸送に関与する新たな輸送担体の機能と薬剤誘発性臓器障害との関連性を明らかにすることである。研究期間内に、アニオン性医薬品や尿毒素の尿細管再吸収あるいは骨格筋への分布・蓄積におけるpH依存性輸送担体の重要性を明らかにする。また、本輸送担体により認識される薬物の組織障害性あるいは組織保護作用の有無について明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
医薬品には腎障害を引き起こすものが多く、患者の腎機能低下によって十分な治療を提供することが出来なくなる、あるいは、腎機能の低下を加速させてしまう等の問題が発生している。この問題は腎毒性を示す薬物を認識する輸送担体のベクトリアル輸送によって、薬物が尿細管上皮細胞に一過的に濃縮されることで引き起こされていると考えられる。また、重度の薬剤性筋障害においても腎機能が低下することが知られているように、実務的な腎保護戦略では、多臓器にまたがった薬剤誘発性障害の対策が必要となっている。すなわち、輸送担体の複雑な組織分布および機能を把握し、薬剤誘発性臓器障害を制御することが臨床上の課題となっている。本研究では、腎臓・筋肉において、薬物の生体膜透過を担う新たな輸送担体の機能および薬剤誘発性臓器障害との関連を明らかにすることを目的としている。2022年度は、pH依存性輸送担体モデルとしてDtpAを用い、多彩な基質認識、基質結合について検討した。また、腎臓における新規pH依存性有機アニオン輸送担体の機能レベルでのより詳細な解析を行った。得た結果を以下に示す。 pH依存性輸送担体であるDtpAの基質結合には水分子が関与していることが示された。本研究で注目しているpH依存性有機アニオン輸送担体が認識する化合物も、カルボン酸構造を必須とするものの、カルボン酸以外の母核構造については高い容認性を示すことから、基質認識機構において水分子が重要な役割を担っていると考えられる。 新規pH依存性有機アニオン輸送担体については、輸送活性に対する古典的H+/モノカルボン酸共輸送担体MCTsの基質・阻害剤の影響について検討を加えた。その結果、MCT1/2の強力な阻害剤AR-C155858による阻害効果が認められなかったことから、pH依存的なアニオン性薬物の輸送に対するMCT1/2の寄与は小さいことが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2022年度は、多彩な基質認識性を有するpH依存性輸送担体モデルとしてDtpAを用い、基質結合に水分子が関与していることを明らかにしている。本研究で注目している新規pH依存性有機アニオン輸送担体もまた、基質認識にはカルボン酸構造が必須であるものの、カルボン酸以外の母核構造については、内因性低分子物質から外因性の嵩高い化合物まで、高い容認性を示すことから、水分子を考慮した基質認識機構について今後更なる解析を試みる予定である。また、新規有機アニオン輸送担体の機能レベルでのより詳細な解析を行った結果、有機アニオン輸送担体の典型的な基質・阻害薬では明らかな相互作用が認められなかったのに対し、古典的なH+/モノカルボン酸共輸送担体MCTsの基質である乳酸は、新規有機アニオン輸送担体の輸送活性を部分的に阻害することが明らかとなり、そのIC50値はモノカルボン酸輸送担体MCT4の乳酸輸送におけるKm値とほぼ一致した。一方、H+/モノカルボン酸共輸送担体MCT1/2の強力な阻害剤であるAR-C155858による阻害効果は認められなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
上記進歩状況のように、新規輸送担体の機能解析についてはほぼ予定通り進展しているものの、詳細な毒性評価についてはやや滞っている。研究3年度目については、各組織における新規有機アニオン輸送担体の同定を試みるとともに、輸送担体と薬剤誘発性障害の関連を明らかにし、薬剤性障害の回避・軽減策について検討を進める予定である。
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Report
(2 results)
Research Products
(10 results)