分裂体期脂質転換酵素による新規『遅延死』モデルの構築
Project/Area Number |
21K15428
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 49040:Parasitology-related
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Research Institution | Rakuno Gakuen University (2023) Nagasaki University (2021) |
Principal Investigator |
石崎 隆弘 酪農学園大学, 獣医学群, 講師 (40880810)
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Project Period (FY) |
2022-12-19 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
Fiscal Year 2021: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
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Keywords | ネズミマラリア原虫 / 脂質転換酵素 / 遅延死 / 分裂体 |
Outline of Research at the Start |
本研究課題の目的は分裂体期発現脂質転換酵素の欠損によって引き起こされる『遅延死』の発生に関する新規モデルを構築することである。既知の『遅延死』は原虫の栄養体期に発現する分子欠損によって引き起こされることが知られている。本研究では分裂体期の脂質転換酵素欠損によって引き起こされる『遅延死』が既存モデルと同一の機序あるいは未知の機序によって引き起こされるかを明らかにする。本研究を通してマラリア原虫において『遅延死』を起こす分子機序の理解を深化させ、原虫の寄生・増殖メカニズムに関するさらなる知見を得ることを目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
マラリア原虫は脂肪酸やイソプレノイドの合成に関与する原虫特異的細胞小器官アピコプラストを持つが、脂肪酸合成に原核生物由来の酵素を用いる点、イソプレノイドの新規合成に哺乳類とは異なる非メバロン酸経路を用いる点などから薬剤標的と考えられている。アピコプラストを標的とした化合物を投与すると、マラリア原虫は薬剤投与後の1回目の発育サイクルでは非投与群と変わらずに発育するものの、2回目のサイクルでは発育が顕著に妨げられる『遅延死』と呼ばれる表現型を示す。 我々はアピコプラストに局在せず、分裂体期に発現する脂質転換酵素ジアシルグリセロールキナーゼ(DGK)を誘導型二重欠損させたマラリア原虫が『遅延死』様の表現型を示すことを見出した。DGK誘導型二重欠損原虫は遺伝子欠損誘導後2サイクル目におけるアピコプラストの分裂が阻害された。アピコプラストの分裂阻害によって生じる脂質プロファイルの変化は翌年度以降のリピドーム解析で明らかにしたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究代表者の異動に伴う研究環境の変化によって研究の実施状況は遅れている。2024年度上半期中に使用する原虫株の移管完了後に、当初の実験計画を進めていく。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度はリピドーム解析を実施することでアピコプラストの分裂が阻害されたDGK誘導型二重欠損原虫の解析を進める。 また現在遅れている分裂体期に高い発現を示す脂質転換酵素誘導型欠損原虫の網羅的作製を実施し、『遅延死』様表現型解析を実施したい。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)