Project/Area Number |
21K15459
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 49070:Immunology-related
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
内田 萌菜 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 非常勤研究員 (80886200)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2022-03-31
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Project Status |
Discontinued (Fiscal Year 2021)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
Fiscal Year 2021: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
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Keywords | 重力 / 免疫 / ゲートウェイ反射 / 炎症性疾患 / IL-6アンプ |
Outline of Research at the Start |
所属研究室では2019年5月に2種類の自己反応性T細胞を移入したマウスを1ヶ月間国際宇宙ステーションにて飼育した。このマウスのこれまでの解析結果より宇宙では地上と比較して第5腰髄へのT細胞浸潤が減少し、網膜への浸潤が増加するという結果を得ている。本研究ではこの違いをもたらす神経回路や免疫細胞、非免疫細胞を同定するとともに、そのメカニズムを明らかにする。宇宙で飼育したマウスのサンプルや様々な重力条件下で飼育したマウスを用いた病理学的・遺伝学的解析、さらには無重力状態での細胞培養系を組み合わせることで、重力感知を起点とした免疫学的恒常性に関わる機構を明らかにし、重力免疫学研究領域の創生を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
地球の重力は我々地上生物にとって避けられない刺激であり、免疫学的な応答機構が存在する可能性が高い。これを解明することは重力という環境要因が我々の健康へどのように関連するのかを探る点でも、将来的な宇宙開発を進める点でも重要な意義を持つ。本研究では、我々が以前国際宇宙ステーションにて飼育を行った免疫病誘導マウス(宇宙マウス)のサンプルを用いて、重力刺激がどのように生体反応に関与するかを解明することを目的とした。 宇宙マウスでは実験的自己免疫性脳脊髄炎とぶどう膜炎をそれぞれ誘導する、ミエリン特異的T細胞とフォト受容体特異的T細胞を移入している。ミエリン特異的自己反応性T細胞は、我々が2012年に発見した「重力ゲートウェイ反射」と呼ばれる神経-免疫連関により、重力刺激を起点として脊髄に浸潤する。本研究では宇宙環境における重力ゲートウェイ反射の詳細な分子機構の解明と、フォト受容体特異的T細胞への重力の関わりの解明を目指した。 【ミエリン特異的T細胞】宇宙マウスの脊髄を用いて単一核RNA-seq解析を実施した。さらに、無重力刺激が細胞レベルでもたらす影響を調べるために、無重力環境で培養した非免疫細胞のRNA-seq解析を実施した。 【フォト受容体特異的T細胞】まずは地上飼育条件下でのぶどう膜炎の病態を評価した。免疫組織化学やAAVの投与実験により、T細胞が特定の血管から眼組織へ浸潤を開始すること、当該血管は恒常的に緩みがあること、密に神経支配を受けていることが示唆された。この血管への重力刺激による影響を評価するため、宇宙マウスの眼組織を用いて単一核RNA-seqを実施した。 今後、得られたデータを詳細に解析することで、無重力環境によりもたらされた分子レベルでの血管ゲート形成への影響や、病態変化を誘導したメカニズムを明らかにする。これらの成果は、第49回日本免疫学会学術集会などで発表した。
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