Project/Area Number |
21K15535
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 50010:Tumor biology-related
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
山田 顕光 横浜市立大学, 医学部, 講師 (90567603)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2023: ¥130,000 (Direct Cost: ¥100,000、Indirect Cost: ¥30,000)
Fiscal Year 2022: ¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 乳癌 / 腸内細菌叢 / 癌微小環境 / 癌幹細胞 / 乳癌幹細胞 / 腫瘍内細菌叢 |
Outline of Research at the Start |
乳癌幹細胞は,既存の治療や免疫応答への抵抗をきたすために,腫瘍微小環境を自身が生き残りやすい環境に変化させることがある.この腫瘍微小環境を構成する腫瘍内細菌叢の種類や量は癌腫によって異なる.本研究では乳癌中の腫瘍内細菌叢が腫瘍微小環境・乳癌幹細胞に及ぼす影響を解明し,生命予後との相関を明らかにする.腫瘍内の細菌叢の分布や量と,腫瘍微小環境を構築する免疫細胞,乳癌細胞・乳癌幹細胞などの分布との相関,およびサイトカインや免疫・増殖系シグナルの多寡を解析し,乳癌幹細胞をとりまく腫瘍微小環境の変化を解析する.また腫瘍内細菌叢の量や乳癌幹細胞を取り巻く微小環境の差異とヒト乳癌の予後を検証する.
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Outline of Annual Research Achievements |
乳癌は本邦女性が最も罹患しやすい悪性腫瘍であり,手術・薬物・放射線治療による集学的治療で根治を目指すが,術後数年後に再発をきたすことがある.特にエストロゲン受容体陽性乳癌では,術後5-10年後に再発(晩期再発)をきたすことがあり,その機序はいまだ十分に解明されていない.周術期治療への抵抗性の要因の一つに癌幹細胞が挙げられる.乳癌幹細胞は,既存の治療や免疫応答への抵抗をきたすために,腫瘍微小環境を自身が生き残りやすい環境に変化させることがある.近年,この腫瘍微小環境を構成する細菌叢の種類や量が癌腫によって異なることが報告された.本研究では乳癌中の腫瘍内細菌叢が腫瘍微小環境・乳癌幹細胞に及ぼす影響を解明し,生命予後との相関を明らかにすることを目的としている. 研究1:腫瘍内の細菌叢の分布や量と,腫瘍微小環境を構築する免疫細胞,乳癌細胞・乳癌幹細胞などの分布との相関,およびサイトカインや免疫・増殖系シグナルの多寡を解析し,乳癌幹細胞をとりまく腫瘍微小環境の変化を解明する. 研究2:腫瘍内細菌叢の量や乳癌幹細胞を取り巻く微小環境の差異がヒト乳癌において予後不良因子となるかを検証する.また腫瘍内の細菌叢と宿主の腸内細菌との因果関係は明らかになっていないため両者の細菌叢の解析を行いその相同性について検証する. 令和4年度は主に研究2の乳癌検体の便検体および腫瘍検体の採取,保存を行い,便検体のアンプリコンシーケンス解析を行った.また乳癌に関する国内・国際学会に参加し,乳癌の基礎・臨床研究の最新の知見・動向を学んでいる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
臨床が多忙となり研究1のエフォートが低下した. 研究2のための乳癌患者の手術前の便検体および乳癌の腫瘍組織,正常乳腺組織の採取・保存を行った.また実際の細菌叢の解析にあたり複数の解析方法(テクノスルガ,タカラバイオ等)があるため,それぞれの特徴についての情報を収集し,便検体の解析をテクノスルガ社に委託し.18検体分のアンプリコンシーケンス解析を行った.検体中の平均DNA濃度は70.6ng/マイクロLの終了であった.エストロゲン受容体陽性HER2陰性(Luminal)乳癌,HER2陽性乳癌,エストロゲン受容体陰性HER2陰性(トリプルネガティブ)乳癌と,3つの乳癌亜型ついての解析を行った.腫瘍内の細菌叢は微量であることが推測され,マルチオミックス解析について協議,準備を進めている.また乳癌に関する国内・国際学会に参加し,乳癌の基礎・臨床研究の最新の知見・動向を学んでいる.
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策研究1: 腫瘍内細菌叢は,抗リポポリサッカライド(LPS)抗体,抗リポタイコ酸(LTA)抗体,抗CD4抗体,抗CD8抗体,抗CD20抗体,抗CD56抗体,抗FOXP3抗体,抗CD68抗体,抗CD163抗体,抗CD11b抗体等による多重染色を行う.上記研究の進捗状況によっては,研究2でのトランスクリプトーム解析等マルチオミックス解析により,上記免疫細胞のシグナル多寡を解析することも視野に入れている. 研究2: 腫瘍から蛋白質およびmRNAを抽出し,Multiplex array を使用したELISAによる網羅的蛋白解析あるいはプロテオミクス,および複数の免疫関連シグナルを測定するマイクロアレイを用いて網羅的にRNAを解析し,便と腫瘍内の細菌叢の相同性および癌幹細胞との相関を解析する
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