EGFR変異肺がんにおいて併存するRBM10遺伝子変異の機能解析
Project/Area Number |
21K15546
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 50020:Tumor diagnostics and therapeutics-related
|
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
南條 成輝 金沢大学, がん進展制御研究所, 助教 (00722555)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
|
Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2021: ¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
|
Keywords | 分子標的薬耐性 / RBM10遺伝子変異 / スプライシング因子 / アポトーシス / Bcl-x / EGFR変異肺癌 / EGFR変異肺がん / RBM10 / 薬剤耐性 |
Outline of Research at the Start |
肺がん分子標的治療は、EGFRなど薬物療法の標的となるoncoproteinを有する患者に対す るEGFR阻害薬の開発などによって改善してきたが、根治や長期生存は未だに限定的であり、この根底には、腫瘍の不均一性があると考えられる。がん遺伝子パネル検査が保険承認され、同時に様々な遺伝子に変異が起こることが明らかになり、EGFR変異肺がんの約8%において、mRNAスプライシング制御因子であるRBM10遺伝子にも変異が起こっており、本研究では、分子標的治療へのスプライシング制御因子を介した薬剤耐性機構を解明し、耐性を克服する新規治療法の開発を目的とする。
|
Outline of Annual Research Achievements |
第3世代のEGFRチロシンキナーゼ阻害薬 (EGFR-TKI) であるOsimertinibは、EGFR遺伝子変異陽性肺癌 (EGFR肺癌)に対して奏効し、高い有効性を示す。しかしながら、当初から腫瘍が縮小しない、初期耐性も2-3割に認め、この原因解明と耐性克服が重要な課題である。 申請者らはこれまでの検討により、EGFR肺癌患者でoncogeneであるEGFR変異のほかにco-mutationとしてRBM10遺伝子変異が7.6%で起こっていることをしめし、RBM10野生型でRBM10をknock outすることによりEGFR阻害薬によるアポトーシスが減弱することを明らかにした。また、逆にRBM10変異株ではRBM10のタンパク発現がなく、EGFR阻害薬の効果が低く、野生型RBM10を遺伝子導入して発現させることで効果が回復することを明らかにした。さらに臨床でのRBM10遺伝子変異共存症例でEGFR阻害薬のPFS、奏効率が有意に低いことも明らかにした。また、RBM10はアポトーシス関連遺伝子Bcl-xのスプライシングを制御しており、RBM10の欠損によりアポトーシス促進因子Bcl-xSのアポトーシス抵抗因子Bcl-xLへの比が低下することが明らかになった。そこで、Bcl-xL阻害薬をEGFR阻害薬に併用することで、上記細胞株における初期耐性を克服できることを示した(Nanjo S, et al. J Clin Invest. 2022)。 また、RBM10変異はEGFRL858R変異で、del19変異より5倍多く共存していることが明らかになったため、EGFR肺癌、特にL858R変異での発がんへの関与について詳しく解析を進めている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当初の予定通り、RBM10変異細胞株でEGFR阻害薬の効果が低いことが確認され、野生型のRBM10を発現させることでEGFR-TKI感受性の回復を確認することができ、Bcl-xL阻害薬の併用でも耐性克服を確認できていた。 次にRBM10変異のEGFR肺癌、特にL858R変異での発がんへの関与についてはin vivoでの検討が必要であるが、世界的なMatrigel供給不足により、in vivoの実験が進められず、研究が遅れている。
|
Strategy for Future Research Activity |
RBM10変異細胞株でEGFR阻害薬の効果が低いことが確認され、野生型のRBM10を発現させることでEGFR-TKI感受性の回復を確認することができ、Bcl-xL阻害薬の併用でも耐性克服を確認できた。 今後はなぜRBM10変異はEGFRL858R変異で、del19変異より5倍多く共存しているのかを明らかにし、さらにEGFR肺癌の発がんへの関与について詳しく解析を進める。 詳しいメカニズムの解析の検討を行うために、正常気道上皮株でEGFR変異を遺伝子導入し、RBM10の有無による発がん性の違いについて検討する。違いを認めた場合は、マイクロアレイによる発現解析、パスウェイ解析を行い、マウスモデルでの検討を行う。 上記供給不足であったMatrigelが入手できたため、今後はin vivoの実験を進め、研究成果をまとめていく。
|
Report
(2 results)
Research Products
(12 results)
-
-
[Journal Article] Deficiency of the splicing factor RBM10 limits EGFR inhibitor response in EGFR-mutant lung cancer2022
Author(s)
Nanjo S, Wu W, Karachaliou N, Blakely C, Suzuki J, Chou Y, Ali S, Kerr L, Olivas V, Shue J, Rotow J, Mayekar M, Haderk F, Chatterjee N, Urisman A, Yeo J, Skanderup A, Tan A, Tam W, Arrieta O, Hosomichi K, Nishiyama A, Yano S, Kirichok Y, Tan D, Rosell R, Okimoto R, Bivona T.
-
Journal Title
Journal of Clinical Investigation
Volume: 132
Issue: 13
DOI
Related Report
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-