Project/Area Number |
21K15648
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 52010:General internal medicine-related
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
松田 やよい 九州大学, 大学病院, 助教 (70721009)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 副腎皮質網状層 / DHEA / CYB5A / マイクロダイセクション / 老化 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、副腎疾患および類縁疾患の血液、組織検体を用いて、ゲノム・トランスクリプトーム・エピゲノムおよびメタボローム解析によるマルチオミクス解析に基づきヒトにおける、副腎網状層の老化機構を解明する。さらに、独自に開発した網羅的ステロイド測定法である血中ステロイドミクスに機械学習を応用することで、副腎アンドロゲンに基づく老年者における心血管代謝および筋・骨格系疾患リスク評価モデルを構築する。
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Outline of Annual Research Achievements |
副腎は皮質と髄質より構成され、副腎皮質は形態的にも機能的にもユニークな3層構造を呈する。副腎アンドロwpは主に網状層で合成されるステロイドホルモンである。中でもデヒドロエピアンドロステロン(DHEA)は性ホルモン前駆体として作用し、血液循環中で最も豊富なステロイドホルモンであり、近年の観察研究のエビデンスから老化現象との関連が着目されている。一方で、代表的な動物モデルあるマウスでは網状層を有さないため基礎研究からの副腎アンドロゲン研究の進捗が十分でなく、ホルモン合成および血中での代謝機構について依然不明な点が多く、ヒト臨床検体を用いた成因解明が必須である。本研究では、副腎疾患および類縁疾患の血液、組織検体を用いて、ゲノム・トランスクリプトーム・エピゲノムおよびメタボローム解析によるマルチオミクス解析に基づきヒトにおける、副腎網状層の老化機構を解明する。さらに、独自に開発した網羅的ステロイド測定法である血中ステロイドミクスに機械学習を応用することで、副腎アンドロゲンに基づく老年者における心血管代謝および筋・骨格系疾患リスク評価モデルを構築する。 チトクロームb5(CYB5A)は副腎皮質網状層におけるDHEA生産に必要なステロイド合成酵素である。まず正常副腎皮質網状層における年齢・性差の影響を検討するため、褐色細胞腫5例(若年2例、高齢3例)の腫瘍組織を用いてCYB5Aを染色した。その結果、高齢になるにつれてCYB5A染色領域が減少しており、加齢により副腎皮質網状層の機能が低下することを示すことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
副腎皮質網状層における年齢・性差の影響を検討するため、褐色細胞腫および非機能性副腎皮質腫瘍(若年7例、高齢5例)の付随副腎皮質組織を用いてCYB5Aの免疫染色を行った。その結果、高齢になるにつれてCYB5A陽性領域が減少し、加齢に伴い網状層機能が低下することが示唆された。 次に加齢に伴う網状層の遺伝子発現変化を検討するために、同一サンプルのRNAシーケンス(RNA-seq)解析を試みた。網状層特異的な変化を捉えるため、網状層のみをレーザーキャプチャーマイクロダイセクション(LCM)法により切り出した。切り出した組織からRNAを抽出したが、RNA-seqを行うために必要なRNA量が得られなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
網状層の加齢性変化を遺伝子発現変化の面から捉えるためにLCM法とRNA-seqの組み合わせた方法を試みたが、困難であった。そこで、組織切片から位置情報を保ったまま網羅的な遺伝子発現情報を高解像度に取得できる空間トランスクリプトーム解析を実施することとした。若年1例、高齢2例の付随副腎皮質組織を用いた実験を計画している。近年、遺伝子操作マウスを用いた検討により、球状層の維持にはWnt/β-cateninの活性化、束状層の維持にはcAMP/PKAの活性化が必須であることが報告されているが、網状層においては明らかでないため、この空間トランスクリプトーム解析により層維持機構を解明を目指す。
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