親の精神的問題と周産期メンタルヘルスリテラシーが虐待に与える影響についての検討
Project/Area Number |
21K15755
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 52030:Psychiatry-related
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Research Institution | National Defense Medical College |
Principal Investigator |
高橋 知久 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 精神科学, 講師 (40828729)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2025: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | 子ども虐待 / 周産期 / 精神的問題 / メンタルヘルスリテラシー / リスク因子 / メンタルヘルス / 精神疾患 / 特定妊婦 / 妊娠 / サポート体制 |
Outline of Research at the Start |
子ども虐待の重要なリスク因子として親の精神的問題が知られている。 精神疾患合併妊婦に対する妊娠期からの精神科リエゾン対応及び、子どもの安全委員会による医学的、心理社会的ハイリスク事例に対するリスク評価等の臨床的経験を通じて、精神的問題と周囲とのつながりの乏しさが子ども虐待の決定的なリスク因子であるという傾向が確認されている。 本研究では親の精神科的問題と、専門家や周囲への援助を得て精神的健康を維持する能力である「周産期メンタルヘルスリテラシー」という観点から子ども虐待との関連を解析する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は虐待する親の精神病理を明らかにすることであり、周産期の精神科診断・症候および周産期メンタルヘルスリテラシーに着目している。本年度は、2013年から2020年までの間で、当院で出産した精神疾患のある、あるいは精神疾患の疑われる妊婦のリスク因子を抽出し、養子縁組、児童相談所の保護委託、職権保護(強制的な保護)、虐待の発生について調べた。カルテ調査であるが、数百例あり統計解析には至っていない。 同時に、虐待に至る親の精神病理の理論について文献的考察を行い、特に「学習性無力感」という現象に着目した。学習性無力感とはコントロール不能な不快な刺激に対して抵抗できなくなり無力化する、うつ病のモデルともされる心理学用語であるが、Walkerは家庭内暴力や子ども虐待の原因の一つと考えた。2022年4月、精神科治療学37(4): 369-374に「なぜ逃げないのか/逃げられないのか-学習性無力感-」として論文掲載された。 また、急性期未治療精神病妊婦の対応について学会発表を行い、子ども虐待のリスクと急性期のマネージメント、自己決定について、そして虐待予防における多職種チームの連携の重要性について考察を行った。「多職種チームによる未治療統合失調症患者の中絶・出産に関する自己決定の支援と法的限界」として日本総合病院精神医学会に症例報告論文投稿を行い、査読の結果受理されている(in press)。 2022年度の実績は以上である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2020年から2022年はコロナ禍により、特定妊婦の詳細な事例検討の回数が減少した。また市役所の保健福祉担当者との調整も滞った。正確なデータベースの作成のために時間を要し、前向き研究が検討しきれていない実情がある。そのため後ろ向き研究や文献的考察、症例報告による検討を行っており、一定の成果は得られている。
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Strategy for Future Research Activity |
まず2013年から2020年の、当院で出産した精神疾患のある、あるいは精神疾患の疑われる妊婦のリスク因子と、養子縁組、児童相談所の保護委託、職権保護(強制的な保護)、虐待の発生の関連について統計解析を行い、論文投稿を目指す。また、周産期メンタルヘルスリテラシーの評価尺度とスケールの実施方法について、関係各所と調整を行い、可能であれば本年度中の前向き研究の調査開始を目的とする。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)
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[Presentation] 多職種連携により出産及び治療導入に至った急性期統合失調症妊婦の一例2021
Author(s)
松井 茉莉江, 高橋 知久, 本間 雅人, 戸田 裕之, 吉野 相英, 澁川 尚幸, 若松 太, 川口 裕之, 羽田 平, 宮本 守員, 高野 政志
Organizer
日本総合病院精神医学会
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