新規モデルマウスによる神経発達症のエピゲノム変化の解明
Project/Area Number |
21K15888
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 52050:Embryonic medicine and pediatrics-related
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
久松 大介 順天堂大学, 大学院医学研究科, 特任研究員 (20880272)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2021: ¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
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Keywords | 神経新生 / エピジェネティック制御 / 大うつ病性障害 / トランスクリプトーム解析 / 神経幹・前駆細胞 / エピジェネティックランドスケープ / 中枢神経系疾患 / i-GONAD |
Outline of Research at the Start |
自閉スペクトラム症や注意欠陥・多動性障害をはじめとした神経発達症の患者数は非常に多いことが知られるが、その発症機構は遺伝的素因と環境要因が関与することが知られている程度であり、詳細は不明である。申請者は、発生期の神経幹・前駆細胞のニューロンサブタイプ分化能変化に重要な役割をもつ転写因子のひとつとしてPHF21Bを見出した。この因子はその構造から、エピゲノム制御に関与することが予想されるが、その役割は不明である。そこで、通常よりも迅速に行える方法により、Phf21bの遺伝子改変マウスを作製し、エピゲノム制御の観点から発症機構に関与するか否かを明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
申請者は、発生期の神経幹・前駆細胞(NSPC)のニューロンサブタイプ分化能に重要な役割を持つ転写因子の一つとしてPHF21Bを見出している。この因子の類似遺伝子であるPHF21Aは、自閉スペクトラム症(ASD)などの神経発達症の責任因子のひとつとして知られているが、神経発達障害におけるPHF21Bの役割は不明である。また、この因子はその構造からエピジェネティック修飾に関与することが予想される。そこで、本研究では従来法よりも簡便かつ迅速にゲノム編集が可能な遺伝子改変技術により、Phf21bの遺伝子改変マウスを作製し、エピゲノム制御の観点から発症機構に関与するか否かを明らかにする。 これまでニューロンサブタイプ分化能の変化に影響を与える因子としてPhf21bの他に、2つのエピジェネティクス関連因子を見出している。しかしながら、これら3つの転写因子の結合部位や相互関係は不明である。そこで、本年度はこれらの遺伝子の結合部位を明らかにするため、3つの遺伝子の下流にクロマチン免疫沈降シーケンス(Chip-seq)に有効なTy1タグをノックインしたES細胞の樹立を試みた。また、前年度に実施した3因子の大脳皮質に特異的な過剰発現および機能阻害実験を進め、さらに中脳や線条体など他の中枢神経系領域における機能解析へと拡大することで、これらの因子が中枢神経系領域に共通して作用していることを明らかにしつつある。一方で、機能阻害では十分な表現型を得られない可能性があることから、ノックアウトマウスの作製を試みた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ES細胞を用いて、ニューロンサブタイプ分化能の変化に関与する3つの遺伝子の下流に、Chip-seqに適したタグをノックインするためには、ES細胞において、これら遺伝子の十分な発現が求められるが、一部の遺伝子では発現量が低く、ノックイン効率が低いため、当初の予定より遅れている。 また、胎仔期の脳における標的遺伝子の過剰発現あるいは機能阻害、ならびにi-GONAD法(improved-Genome editing via Oviductal Acids Delivery)による遺伝子改変マウスの作製は、順天堂大学医学部の動物実験施設内に実験設備を整備するのに時間を要した。さらに、レンチウイルスベクターを用いた胎仔期の脳における遺伝子発現制御では、致死になることが多く、ウイルスタイターなどの条件検討、ならびにエレクトロポレーション法との比較を行ったことから、当初の予定よりも遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、各標的遺伝子の下流にTy1タグをノックインしたES細胞の樹立を進め、Chip-seqによりPhf21bをはじめとしたニューロンサブタイプ分化能の変化に重要な役割をもつ遺伝子の結合部位を明らかにする。また、エレクトロポレーション法により遺伝子発現制御した胎仔期の脳、ならびにi-GONAD法によるPhf21bのノックアウトマウスの胎仔期(E17.5)における表現型の解析を進める。具体的には、脳の大きさや海馬の萎縮度、神経新生および大脳皮質の層特異的ニューロン、線条体におけるIsl1陽性ニューロン、中脳におけるドーパミンニューロンの局在などを組織学的解析から評価する。
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Report
(2 results)
Research Products
(7 results)