Project/Area Number |
21K15920
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 53010:Gastroenterology-related
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
前田 啓子 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (00830291)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 炎症性腸疾患 / 抗体治療 / インフラマソーム / インターロイキン18 |
Outline of Research at the Start |
近年、IBD患者の急増とともに、既存治療に対する一次、二次無効を呈する難治例が増加し、病態に応じた治療戦略の確立が急務となっている。その病態には粘膜免疫の破綻、腸内細菌叢の関与とともに、両者を制御するインフラマソーム経路の重要性が認識されてきている。申請者は、治療抵抗性のIBD患者の血液、腸管組織においてインフラマソーム関連サイトカインの発現が上昇することを見出した。IL-18が高発現する患者群の粘膜関連細菌叢、NLRP3、NLRC4遺伝子変異、臨床情報を解析し、特徴を明らかにすることは、IL-18が病態の主軸となる患者群の特定、そして病態に応じた治療応用につながると考えられる。
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Outline of Annual Research Achievements |
近年、炎症性腸疾患(IBD)患者の急増とともに、既存治療に対する一次、二次無効を呈する難治例が増加し、病態に応じた治療戦略の確立が急務となっている。その病態には粘膜免疫の破綻、腸内細菌叢の関与とともに、両者を制御するインフラマソーム経路の重要性が認識されてきている。申請者は、治療抵抗性のIBD患者の血液、腸管組織においてインフラマソーム関連サイトカインであるインターロイキン-18(IL-18)の発現の上昇を見出した。加えて、抗マウスIL-18中和抗体の投与により、腸内細菌叢の変化、Th1経路の抑制を介して、IBDモデルマウスの腸炎が改善するという知見を得た。申請者は、これらの結果をもとに、より高い特異性・より長い半減期を持つ抗ヒト活性型IL-18モノクローナル中和抗体を開発した。本研究では、難治性IBDへの治療応用を見据え、マウスや大型動物を使用した①抗ヒトIL-18中和抗体の腸炎抑制効果、作用機序の解明、②抗ヒトIL-18中和抗体の安全性の確認と有効用量の設定を目指す。 本年度までに、抗マウス活性型IL-18抗体を用いて、動物モデルに投与を行い、急性腸炎モデルである(DSS誘導性腸炎モデルマウス、TNBS誘導性腸炎モデルマウス)において、腸炎の抑制効果を認めることを見出した。機序は、Th1細胞由来のIFNを始めとする炎症性サイトカインの抑制と共に腸管上皮のバリア機能も改善することを同定し、学会発表、論文発表を行った。 作製した抗ヒト活性型IL-18抗体は、安全性を確認する試験を予定している。さらに、ヒト活性型IL-18を同定するELISA kitを共同研究で開発し、臨床応用を目指している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
抗マウス活性型IL-18抗体を用いた動物実験で、潰瘍性大腸炎モデルマウス、クローン病モデルマウス、慢性腸炎モデルマウスで治療効果を認めることを同定した。臨床応用に向けて、抗ヒト活性型IL-18抗体の開発や、抗ヒト活性型IL-18 ELISA KITの作成も行い、臨床検体で測定が可能なことを確認しており、おおむね順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
抗ヒト活性型IL-18抗体の臨床応用に向けて、安全性試験、薬物動態試験を進めていく。抗マウス活性型IL-18抗体を使って、腸管線維化も含めた炎症性腸疾患の合併症にも治療効果がないか検証していく。
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