培養細胞を用いた胃粘膜発癌メカニズムと遺伝子変異・ピロリ菌感染相互作用の解明
Project/Area Number |
21K15972
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 53010:Gastroenterology-related
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
竹内 康英 京都大学, 医学研究科, 特定助教 (80646373)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 胃粘膜発癌 / 分子腫瘍学 / 遺伝子変異 / ドライバー遺伝子変異 / 胃粘膜 / がん / 分子病理 / 腫瘍学 |
Outline of Research at the Start |
胃がんは本邦のがん死亡原因の第3位であり、治療成績向上につながる発症メカニズムの解明が求められている。近年、一見正常な組織にも細胞のクローン性増殖・遺伝子変異蓄積が存在する一方で、がん部と非がん部で各遺伝子の変異頻度に有意な差があることが明らかになってきた。本研究は胃がん発症メカニズムの解明を目的として、胃粘膜からオルガノイドなど培養細胞を作成し、各種遺伝子変異などの導入で細胞に生じる変化を明らかにする。遺伝子変異と細胞周囲の環境との相互作用、ひいては胃におけるがん化メカニズムの基盤を解明し、胃がんの早期治療への応用と、人体におけるがん化メカニズムの解明に資する知見を得ることを目ざす。
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Outline of Annual Research Achievements |
胃粘膜が癌化する過程の詳細を明らかにするため、本研究では事前検討において統計学的な手法をもちいて検出した胃癌ドライバー遺伝子変異の候補が、実際の非腫瘍部胃粘膜上皮細胞においてどの様な分子生物学的変化をもたらすのか、その詳細を解明することと目的としていた。2022年度中には約 30 個の新規胃粘膜組織片を収集できた。現在それらに対して培養実験を実施中である。また並行して、既収集サンプルのデータを再解析し、胃癌ドライバー遺伝子変異の候補の統計学的な有意性の検証と、組織学的評価の相関について検討した。非癌部由来ヒト胃粘膜上皮集塊(n=130)と、それらから単離した胃腺窩(n=50)に対して網羅的遺伝子変異解析を行い、ドライバー遺伝子変異の検索と、胃粘膜における遺伝子変異蓄積・クローン拡大の詳細、組織学的な腸上皮化生の占める面積の相関を検討した。上皮集塊の検討結果からは既知の胃癌ドライバー遺伝子変異が有意なものとして検出され、さらに胃癌ドライバー遺伝子として知られている一部の遺伝子は癌部と比較して非癌部で有意に高い頻度で検出された。非癌部におけるクローン拡大は、癌部におけるクローン拡大とは異なった分子生物学的機序でもたらされている可能性が確認された。胃腺窩の検討では非腸上皮化生領域の胃粘膜で年間約0.4個/エクソーム、腸上皮化生領域の胃粘膜で約1.1個/エクソームの遺伝子変異蓄積が確認された。一方、上皮集塊におけるクローン拡大と、組織学的に腸上皮化生の占める割合には有意な相関はみられなかった。理論的には腸上皮化生とクローン拡大には相関が予想されるため、遺伝子用サンプルと組織評価用サンプルが完全には一致していないことに起因する可能性が推定された。これに関してはレーザーマイクロダイセクションなどの併用を検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2021年度、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、研究計画書作成時に期待されていたサンプル取得経路(患者同意書取得、検体搬送など)の整備に大幅な遅延がもたらされたため、事前検討に必要なヒト胃粘膜の収集が困難な状態が続いた。2022年度には感染拡大が落ち着いたこと、上記経路の整備が完了したことなどから、新規サンプル収集が容易となっており、大幅な遅延はあるものの当初の予定に準拠した研究をすすめていくことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画書に記載したとおり、下記の研究1,2を遂行していく。 研究1:複数患者からの胃粘膜採取を継続し、複数のヒト胃粘膜上皮由来培養細胞株(オルガノイドなど)を樹立する。培養株のDNAをシーケンスし、遺伝子変異の有無を判定する。遺伝子変異の有無に応じた培養細胞の形態学的な特徴の差異を、HE染色標本やPeriodic acid-Schiff反応を用いた細胞質内外の粘液の染色、各種免疫組織化学的染色によって明らかにする。非腫瘍部だけでなく癌部や良性腫瘍に対しても同様の操作を行っていく。また上述の経緯も踏まえ、レーザーマイクロダイセクション導入を模索する。 研究2:研究1で作成した培養細胞ライブラリーのうち、変異陰性の株を複数クローンに分け、レンチウイルスなどを用いてドライバー遺伝子変異を導入する。各種細胞染色法を実施して、遺伝子変異の導入によって細胞形質に生じる変化を明らかにする。遺伝子変異陽性・陰性群、コントロール群に対してピロリ菌を感染させ、慢性胃炎状態を模した培養系を作成する。遺伝子変異やピロリ菌感染の陽性・陰性群が増殖に与える影響を細胞増殖速度の定量で明らかにする。細胞内増殖シグナル活性を反映するCD44などのウェスタンブロッティングや定量PCRで増殖活性の変化を証明すし、RNAマイクロアレイを用いて細胞質内シグナリングの変化を定量・定性する。これらの結果を総合的に解析し、各種遺伝子変異やピロリ菌感染が胃粘膜上皮の増殖活性にどの様な影響を与え、最終的な癌化に寄与するかを明らかにしていく。
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Report
(2 results)
Research Products
(8 results)
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[Journal Article] A novel <i>SREBF1::NACC1</i> gene fusion in an unclassifiable intracranial tumour2022
Author(s)
Takeuchi Yasuhide、Mineharu Yohei、Arakawa Yoshiki、Hara Masayuki、Oichi Yuki、Kamata Takahiko、Fukuyama Keita、Yamamoto Yoshihiro、Yamanaka Toshiyuki、Kakiuchi Nobuyuki、Hiratomo Emi、Hirata Masahiro、Yokoo Hideaki、Hirose Takanori、Minamiguchi Sachiko、Ogawa Seishi、Muto Manabu、Miyamoto Susumu、Haga Hironori
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Journal Title
Neuropathology and Applied Neurobiology
Volume: 48
Issue: 7
Pages: 66-73
DOI
Related Report
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] The landscape of genetic aberrations in myxofibrosarcoma2022
Author(s)
Takeuchi Y, Yoshida K, Halik A, Kunitz A, Suzuki H, Kakiuchi N, Shiozawa Y, Yokoyama A, Inoue Y, Hirano T, Yoshizato T, Aoki K, Fujii Y, Nannya Y, Makishima H, Pfitzner BM, Bullinger L, Hirata M, Jinnouchi K, Shiraishi Y, Chiba K, Tanaka H, Miyano S, Okamoto T, Haga H, Ogawa S, Damm F.
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Journal Title
Int J Cancer
Volume: -
Issue: 4
Pages: 565-577
DOI
Related Report
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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