Project/Area Number |
21K16041
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 53020:Cardiology-related
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
小嶋 啓介 日本大学, 医学部, 助教 (10896559)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | 大動脈解離 / 血流維持型血管内視鏡 / 大動脈内視鏡 / 大動脈プラーク |
Outline of Research at the Start |
急性大動脈解離は突然発症し、死亡率80%以上といわれる致死的で極めて重篤な疾患の一つである。また発症までは無症状であることが多く、発症前の早期診断が極めて困難である。 急性大動脈解離により年間6千人以上命を落としており、その発症を未然に予測するためにバイオマーカーやCT撮像など様々な研究がなされているが、未だ十分な予測能を有した因子は明らかになっていない。 今回我々は、新たに大動脈に応用可能となり、大動脈の微細な損傷や動脈硬化性状を観察し得る血管内視鏡を用いて、大動脈内腔の微細な損傷をとらえ、その病変の形状から将来大動脈解離に発展し得るハイリスク病変を特定することを目的とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
急性大動脈解離は突然発症し、死亡率80%以上といわれる致死的で極めて重篤な疾患の一つである。また発症までは無症状であることが多く、発症前の早期診断が極めて困難である。私は、従来の画像診断機器よりも大動脈内腔を詳細に評価できる大動脈内視鏡が、大動脈解離の予測因子になる可能性を報告してきた。今回我々は、大動脈内視鏡をもちいて大動脈内腔の微細な損傷をとらえ、その病変の形状から将来大動脈解離に発展し得るハイリスク病変を特定することを目的とした。 本研究を進めるにあたり①大動脈内視鏡で検出される内皮障害の有病率を明らかにすること、②2年間フォローし、ベースラインで大動脈内視鏡による内皮障害を有していた群では造影CTを施行する。内皮障害部位の大動脈に径の拡大やULPが生じていないか評価すること、③大動脈解離発症時には、解離のエントリー部位に相当する大動脈内視鏡所見を検討すること、を掲げている。 3年目である2023年度は、エントリーした症例のフォローアップを進めるとともに、取得できた大動脈内視鏡および造影CTデータを解析し、ベースラインの大動脈内腔の血管内皮障害の有病率および対応する大動脈CTの所見を発表した。注目すべきは造影CTで正常内膜に見えていても大動脈内視鏡では内膜が破綻したり、血栓が付着していることがあることを示したことである。本研究結果はJournal of American heart associationに掲載された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究の進捗状況としては、症例のエントリー完了までに想定したよりも多くの時間を要したため、やや遅れていると評価する。その理由として未曾有の大災害ともいうべきコロナ禍があげられる。コロナ禍により、遠隔診療で代用されたり、カテーテル検査が延期され、症例のエントリーが思うように進まなかった状況である。しかしながら予定症例は何とか2年目でエントリーを終了できた。エントリーされた症例に対しては、大動脈内視鏡、造影CTを行いデータを集積できており、またこれらのフォローアップも継続している。
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Strategy for Future Research Activity |
ベースラインでの大動脈内視鏡による内皮障害の種類、有病率を検討し、これらと造影CTによる所見の比較を行い論文化に成功した。 次に並行して行っているフォローアップから、臨床イベントと2年後の造影CT所見の変化を検討し大動脈内視鏡による大動脈解離に関連するハイリスク病変を検討する予定だが、症例エントリーは予定通り完了したものの、エントリーまでに時間を要したことからフォローアップ期間が短くなる可能性がある。このため経時的な変化を十分とらえることができるか慎重に検討していく必要がある。 またこれらの検査所見の関連と今後のフォローアップにより、大動脈内視鏡による血管内皮障害のうちどのような所見が、大動脈解離の発症前段階のハイリスク病変であるかどうかを引き続き検討していきたい。
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