Project/Area Number |
21K16070
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 53020:Cardiology-related
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
小池 秀樹 東邦大学, 医学部, 助教 (80871368)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2021)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
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Keywords | インドキシル硫酸 / ABCG2阻害 / 尿酸降下薬 |
Outline of Research at the Start |
高尿酸血症は、慢性腎臓病(CKD)や心血管病のリスク因子とされているが、尿酸降下薬による心血管病予防効果は実証されていない。その原因は、既存の尿酸降下薬がトランスポーターABCG2を阻害するためと考えた。ABCG2は、組織線維化を惹起させる尿毒症物質インドキシル硫酸(IS)の排泄も担っている。CKDと非CKD患者では既存の尿酸降下薬の心血管病予防効果に差があるが、CKD患者では尿酸降下薬のABCG2阻害により、ISが排泄されず蓄積し組織障害がより惹起されると考えた。本研究ではマウスに既存の尿酸降下薬と、ABCG2を阻害しない新規尿酸降下薬を投与し、生体内のISの動態および炎症性変化を検証する。
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Outline of Annual Research Achievements |
ABCG2トランスポーターは、組織線維化を惹起させる尿毒症物質インドキシル硫酸(IS)の排泄も担っている。CKDと非CKD患者では既存の尿酸降下薬の心血管病予防効果に差があるが、CKD患者では尿酸降下薬のABCG2阻害により、ISが排泄されず蓄積し組織障害がより惹起されると考えた。本研究ではマウスに既存の尿酸降下薬と、ABCG2を阻害しない新規尿酸降下薬を投与し、生体内のISの動態および炎症性変化の検証を目的とし以下の実験をおこなった。 <実験> 尿酸降下薬のABCG2阻害率と血中インドキシル硫酸濃度との相関関係の検討 既存の尿酸降下薬(①フェブキソスタット5mg/kg、②プロベネシド170mg/kg)および、新規尿酸排泄促進薬(③ドチヌラド0.35mg/kg)をジメチルスルホキシド(DMSO)200μlに溶解し、マウスに腹腔内投与した。また、DMSOの影響を勘案しコントロール群として④DMSO単独投与も行った。マウス体内の尿酸降下薬の血中濃度が定常状態となった段階で、絶食を経たのち、IS40mg/kgを水に溶解しマウスに追加腹腔投与し、投与後から時間ごとに血中のIS濃度を測定した。 <結果> IS投与後1時間の平均血中IS濃度は、①19.6mg/dl②38.9mg/dl③16.9mg/dl④17.7mg/dlであった。24時間後は①0.28mg/dl②0.38mg/dl③0.22mg/dl④0.29mg/dlであった。プロベネシド群が有意にISの排泄遅延を認めていたが、他群では大きな差は認められなかった。DMSOの腹腔投与後、一様にマウスが体重低下をきたしており、DMSO投与によるマウスへの障害が懸念される結果となった。しかし、プロベネシドが有意にIS排泄遅延を生じさせることが確認できたため、仮説の支持につながると考える。他薬剤群での比較をさらに継続していくこととしている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナウイルス感染拡大下での研究であり、コロナ感染による隔離の問題から予定よりも研究がすこし遅れている。実験の再現性の観点から静脈注射でなく、腹腔投与に変更したが、薬剤間で明確な差は得られなかった。今後は静脈注射などの投与方法の変更も検討しなければならず準備に時間を要している。
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Strategy for Future Research Activity |
DMSOの腹腔投与後、一様にマウスが体重低下をきたしており、IS投与の影響よりもDMSO投与によるマウスへの障害が懸念される結果となった。その結果各薬剤グループ間で血中IS濃度の推移に明確な差が生じなかったのではないかと推察している。DMSOの溶解量をさらに少なくすることの検討を行っている。また、実験の簡便性、再現性の観点から静脈注射でなく、腹腔投与に変更し実験を開始したが、薬剤間で明確な差は得られない場合は、静脈注射などの投与方法の変更も検討しなければならない。 また、マウス実験と並行して、細胞におけるABCG2トランスポーターの発現を確認する実験も開始していく。上記実験結果をまとめ、年内の学会での結果報告を目指している。
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