ホモシステイン代謝異常がCOPD発症に関わる機序の検討
Project/Area Number |
21K16107
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 53030:Respiratory medicine-related
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
中野 寛之 山形大学, 医学部, 病院助教 (80637629)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 慢性閉塞性肺疾患 / 呼吸機能 / ホモシステイン / メチレンテトラヒドロ葉酸還元酵素 / 一塩基多形 / COPD / 肺気腫 / MTHFR遺伝子 |
Outline of Research at the Start |
これまでの疫学的、基礎的研究により血中ホモシステインの上昇は肺機能低下や肺気腫の形成に関与していることが示されている。しかし、食事や遺伝的関与によるホモシステインの代謝が、肺胞細胞における小胞体ストレスの誘導、それに伴う細胞のアポトーシスや、COPDの病態の主軸となる肺気腫の形成、呼吸機能の低下にどのように関わっているのかという検討はこれまでになされていない。このような学術的背景から、「ホモシステインの代謝機構の変化が喫煙による小胞体ストレスを誘導し、COPDの病態形成に関与するか」という学術的問いに対して、MTHFR遺伝子変異に着目した疫学的研究および基礎的研究を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
我々はこれまでの疫学研究で、血中ホモシステインが呼吸機能低下と関連していることを示した。また基礎研究で高ホモシステイン血症の状態では小胞体ストレスの増強により、喫煙曝露による肺気腫が増悪することが示され、ホモシステイン代謝が慢性閉塞性肺疾患の病態形成に重要であることが示された。 これらの結果を踏まえ、一般住民を対象とした健康診断で呼吸機能検査と採血による遺伝子検査を行い解析を行った。約2700人の対象者から遺伝子のサンプルを収集することができた。メチレンテトラヒドロ葉酸還元酵素(MTHFR)に関わる一塩基多形(SNPs)は7種類検出ができた。それらのアレル頻度はNational library of medicineで公開されている東アジア人のアレル頻度とほぼ同じ傾向を示していた。したがって本研究の母集団については東アジア人の集団として妥当な集団であることが示された。 これらのSNPsと呼吸機能検査データとの相関性を検討した。呼吸機能は初回測定後の3-5年後に再検査が行われており、呼吸機能の経年的な変化が追えた対象者は約120人であった。その結果初回の肺活量、一秒量、一秒率といった呼吸機能検査値についてはいずれのSNPsとの関連性を見出すことはできなかった。呼吸機能の変化量の相関について検討を行ったところ、男性の現喫煙者においてrs1476413(Intron Variant)がC/CタイプであるとC/TタイプやT/Tタイプと比べて呼吸機能が有意に低下していた。 また基礎研究において、MTHFR遺伝子をノックアウトしたマウスを作成する計画としていたが、C57BL/6系統のマウスにCRISPR-Cas9を用いてMTHFR遺伝子変異を導入した。ジェノタイピングの結果、exon 2に目的の遺伝子が挿入できていることが確認でき、ノックアウトマウスの確立に成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
疫学研究では呼吸機能検査データと遺伝子のデータを解析し、ホモシステイン代謝酵素であるMTHFRのSNPsと呼吸機能の相関を検討した。結果MTHFRの7種類のSNPsを解析し、rs1476413のC/Cアレルが男性の現喫煙者の経年的な呼吸機能低下と関連することが示された。 基礎研究ではMTHFRの遺伝子発現をノックアウトした遺伝子改変マウスの確立に成功した。 現在疫学研究では、rs1476413以外のMTHFRのSNPsと呼吸機能低下との相関や、複数のSNPsの組み合わせと呼吸機能低下との関連を検討している。また基礎研究ではMTHFR遺伝子改変マウスの作成に時間を要したが、ヘテロノックアウトマウスの繁殖が可能な状況となった。現在、MTHFR遺伝子ヘテロノックアウトマウスの血漿ホモシステイン値や肺組織などの喫煙曝露前のベースラインデータについての測定を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
疫学研究では、rs1476413以外のMTHFRのSNPsと呼吸機能低下との相関や、複数のSNPsの組み合わせと呼吸機能低下との関連について検討を行い、共変量を調整した多変量解析などの統計解析を行う計画である。また初回健診時に採取された採血のデータとこれらのSNPsとの関連性も併せて検討していく。特にMTHFRのどのSNPsがホモシステインの血中濃度と相関するのかを解析していく計画である。 基礎研究ではMTHFR遺伝子ヘテロノックアウトマウスのベースラインデータを確認した後に喫煙曝露を行い、小胞体ストレスに関連する蛋白質の発現の程度について測定していく。最終的には長期間の喫煙曝露を行い、慢性閉塞性肺疾患の主要な病理学的所見である肺気腫の形成や呼吸機能を評価していく。 過去の報告ではMTHFRの複数のアレルと疾患における関係性が報告されているが、疾患に対する効果が同一のアレルでも報告によって異なっており、一定の見解が得られていない。我々の大規模な疫学データと、遺伝子改変マウスを用いた基礎的データの融合により、MTHFRの遺伝子多型による疾患への効果が明らかになることが期待できる。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Effect of hyperhomocysteinemia on a murine model of smoke-induced pulmonary emphysema.2022
Author(s)
Nakano H, Inoue S, Minegishi Y, Igarashi A, Tokairin Y, Yamauchi K, Kimura T, Nishiwaki M, Nemoto T, Otaki Y, Sato M, Sato K, Machida H, Yang S, Murano H, Watanabe M, and Shibata Y.
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Journal Title
Scientific Reports
Volume: 12
Issue: 1
Pages: 12968-12968
DOI
Related Report
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Role of CC Chemokine Ligand 17 in Mouse Models of Chronic Obstructive Pulmonary Disease2022
Author(s)
Machida Hiroyoshi、Inoue Sumito、Igarashi Akira、Saitoh Shinichi、Yamauchi Keiko、Nishiwaki Michiko、Nemoto Takako、Otaki Yoichiro、Sato Masamichi、Sato Kento、Nakano Hiroshi、Yang Sujeong、Furuyama Kodai、Murano Hiroaki、Ishibashi Yu、Ota Takahito、Nakayama Takashi、Shibata Yoko、Watanabe Masafumi
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Journal Title
American Journal of Respiratory Cell and Molecular Biology
Volume: 66
Issue: 4
Pages: 428-438
DOI
Related Report
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] The Incidence and Risk Analysis of Lung Cancer Development in Patients with Chronic Obstructive Pulmonary Disease: Possible Effectiveness of Annual CT-Screening.2021
Author(s)
Machida H, Inoue S, Shibata Y, Kimura T, Ota T, Ishibashi Y, Murano H, Furuyama K, Yang S, Nakano H, Sato K, Sato M, Nemoto T, Nishiwaki M, Yamauchi K, Igarashi A, Watanabe M.
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Journal Title
Int J Chron Obstruct Pulmon Dis.
Volume: 16
Pages: 739-749
DOI
Related Report
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Association between low mean corpuscular hemoglobin and prognosis in patients with exacerbation of chronic obstructive pulmonary disease.2021
Author(s)
Sato K, Inoue S, Ishibashi Y, Ota T, Murano H, Furuyama K, Yang S, Machida H, Nakano H, Sato M, Nemoto T, Nishiwaki M, Yamauchi K, Igarashi A, Watanabe M.
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Journal Title
Respir Investig.
Volume: 59
Issue: 4
Pages: 498-504
DOI
Related Report
Peer Reviewed
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