肺胞マクロファージによる2型肺胞上皮細胞の増殖・分化制御機構の解明
Project/Area Number |
21K16113
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 53030:Respiratory medicine-related
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
渡辺 知志 金沢大学, 医薬保健学総合研究科, 特任准教授 (60772960)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | 肺胞マクロファージ / 間質マクロファージ / 肺修復・再生 / 2型肺胞上皮細胞 |
Outline of Research at the Start |
人口の高齢化に伴い、呼吸器疾患の罹患者数、死亡者数は世界的に急増している。増悪する呼吸器疾患に共通するのは肺傷害と修復機転の破綻であり、特に肺修復の細胞・分子学的機序の解明はきわめて重要な課題である。肺胞マクロファージは、肺の生体防御や恒常性維持に関わる主要な免疫担当細胞であるが、肺の修復や再生、すなわち2型肺胞上皮細胞の増殖や分化における役割は明らかにされていない。本研究の目的は、肺切除後肺再生モデルと特定の細胞を標識するlineage-tracing法を用いて、肺胞マクロファージによる2型肺胞上皮細胞の増殖・分化制御機構を解明することである。
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Outline of Annual Research Achievements |
人口の高齢化に伴い、呼吸器疾患の罹患者数や死亡者数は世界的に増加している。慢性呼吸器疾患に共通するのは肺修復機転の破綻であり、新規治療標的を同定するには、肺修復の細胞・分子学的機序の解明が必要である。マクロファージは、肺の生体防御や恒常性維持に関わる主要な免疫担当細胞であり、肺の修復や再生を促進する働きを有するが、そのメカニズムは不明な点が多い。本研究の目的は、マクロファージによる肺修復・再生メカニズムを明らかにすることである。肺切除後代償性肺再生モデルでは、肺胞マクロファージおよび間質マクロファージの増加が認められた。Lineage-tracing法による細胞追跡実験により、肺胞マクロファージは自己複製により増加し、間質マクロファージは単球の遊走により増加することが示された。増加した間質マクロファージは、主に血管周囲と胸膜周囲に分布していた。間質マクロファージを枯渇させると代償性肺再生は抑制されたが、肺胞マクロファージを枯渇させても代償性肺再生に影響しなかった。間質マクロファージを枯渇させることによる各種細胞への影響を調べたところ、肺胞上皮細胞の増殖や分化ではなく血管内皮細胞の増殖が抑制されることが分かった。シングルセルRNAシークエンス解析から、間質マクロファージの一部が血管新生に関与することが示唆された。以上のことから、間質マクロファージが血管新生に働くことで、肺の再生を促進することが示唆された。本研究では、肺再生における間質マクロファージの新たな役割が見出された。
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Report
(3 results)
Research Products
(10 results)
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[Book] 呼吸器内科2023
Author(s)
肺胞上皮細胞の修復再生機構と肺線維症
Total Pages
141
Publisher
科学評論社
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