Project/Area Number |
21K16145
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 53030:Respiratory medicine-related
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
森 勇樹 札幌医科大学, 医学部, 助教 (30836432)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 強制オシレーション法 / 特発性肺線維症 / 拘束性肺疾患 / 呼吸機能検査 |
Outline of Research at the Start |
特発性肺線維症(IPF)は予後不良な慢性疾患であり、その病状評価には呼吸機能検査(PFT)が重要である。しかしPFTは呼吸努力を要するため、特に高齢者や進行例では施行が困難な場合が多く、より簡便な評価方法が望まれていた。我々は、PFTの代替となり得る評価法として強制オシレーション法(FOT)に着目した。FOTは安静呼吸で施行でき、少ない負担で繰り返し検査が可能である。本研究ではFOTを用いて呼吸インピーダンスを測定し、主に肺活量や努力性肺活量、拡散能との関連を調べる。本研究により、IPFの経過観察においてより簡便に施行できるFOTの有用性を明らかにしたい。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の主目的は、特発性肺線維症(IPF)の病態評価・薬剤効果判定において、強制オシレーション法(FOT)が呼吸機能検査(PFT)の代替となり得るかを分析することである。令和5年度には、令和4年度までに行ったIPF患者の検討から、さらに計178症例を対象として検討をすすめた。初回のFOT計測値と生存期間の関係を検討するために、単変量および多変量Cox比例ハザード分析を行った。また、ROC曲線分析により、3年生存予測のためのリアクタンス(Xrs)のカットオフ値を設定した。カプラン・マイヤー法とログランク検定を実施して、生存率に対する Xrs のカットオフ値の識別力を検討した。 ①PFT、Xrsの各測定値間の相関について:肺活量(VC)や努力性肺活量(FVCとXrsとの間に良好な相関を認めた。特に、Xrsの吸気成分(In)において相関が強い傾向がみられた(相関係数0.6-0.7前後)。 ②多変量解析では、Xrs (吸気成分の 5 Hz のXrs [X5]、共振周波数 [Fres]、低周波面積 [ALX] )のすべてが、単変量解析から得られた年齢・性別・およびその他の予後因子とは独立して生存率に有意な影響を及ぼした (X5 In、p = 0.003 ; Fres In、p = 0.016 ; ALX In、p = 0.003)。 ③ROC曲線下面積は、X5 In、Fres In、および ALX In で それぞれ0.765、0.759、および 0.766 であり、cut off値はそれぞれ -0.98、10.67、および 5.32であった。これらのカットオフ値を用いて患者を弁別したところ、生存率に有意な差を認めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
抗線維化薬等による治療を受けている症例については今回詳細な検討は行えなかったが、FOT計測値がIPF症例の生存に影響することが判明した。研究計画調書に記載した全ての項目の検討は困難であったが、FOTと生存・予後との関係など、重要な部分は検討出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
抗線維化薬やステロイド投与によるFOT測定値の影響について検討していく。
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