脂肪滴が洞房結節細胞のぺースメーカー機能を障害するメカニズムの解析
Project/Area Number |
21K16351
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 54040:Metabolism and endocrinology-related
|
Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
佐藤 さつき 福井大学, 学術研究院医学系部門(附属病院部), 助教 (70444221)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
|
Keywords | 洞結節細胞 / 徐脈 / 脂肪滴 / 洞機能不全 / ペリリピン2 / ペリリピン2 / 脂肪心筋 / 洞結節機能不全 |
Outline of Research at the Start |
糖尿病やメタボリックシンドローム(Mets)では心筋細胞内に脂肪滴が蓄積し(脂肪心筋)、心機能障害の原因となる。糖尿病やMetsは不整脈の有病率が高く、心房細動や徐脈をきたす洞結節機能不全(SND)を合併しやすいが、その詳細なメカニズムは明らかではない。 申請者らが有する“ 脂肪心筋”(心筋Perilipin2-過剰発現: PLIN2-Tg)マウスは徐脈を呈し、SNDの存在が示唆されるが、現在までに心筋細胞内の脂肪滴と洞結節機能との直接的な関連性は報告されていない。本研究ではPLIN2-Tgを用いて洞房結節細胞内の脂肪滴蓄積とSND発症のメカニズムを解明し、新規不整脈治療法の確立に貢献したい。
|
Outline of Annual Research Achievements |
糖尿病や肥満症、メタボリックシンドロームなどの生活習慣病では心筋細胞内に脂肪滴が蓄積し(脂肪心筋)、心機能障害の要因となる。これらの生活習慣病では心房細動(AF)や、洞結節機能不全(sinus node dysfunction:SND)といった不整脈の有病率が高い。また、AFとSNDは器質的な心疾患や遺伝的素因に加えて、加齢・肥満・糖尿病・高血圧といった多数の因子による心筋細胞の構造的・電気的リモデリングが不整脈基盤となり発症する不整脈である。 代表者らは“ 脂肪心筋”を呈する心筋 Perilipin (PLIN) 2-過剰発現マウス: PLIN2-Tgを作製し、心筋細胞内の脂肪滴がAFの発症要因となることを報告した。 このマウスは徐脈傾向であり、SNDの存在が示唆された。PLIN2-Tgの電子顕微鏡解析では洞房結節細胞内には脂肪滴が認められ、脂肪滴の蓄積と徐脈には何らかの関連があるものと推察している。 本研究課題では、脂肪滴蓄積による洞房結節の構造的、電気的リモデリングを解析し、心筋細胞内の脂肪滴が洞結節機能不全を惹起するメカニズムを解明する。 令和3年度に施行した脂肪滴蓄積による洞房結節細胞の構造的リモデリングの解析では電子顕微鏡解析にてPLIN2-Tg の洞房結節細胞内に脂肪滴の蓄積とCa2+貯蔵を担う筋小胞体 (SR)の膨化を認めた。電気的リモデリングの解析として行った洞房結節細胞の機能解析において、 PLIN2-Tgではlocal calcium release、Ca2+transient amplitudeの増加が認められた。また、細胞内、ミトコンドリア内のROS(reactive oxygen species)の検討では、PIN2-TgではWtと比較しミトコンドリアROSの増加がみられた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
令和5年度にはIn situ RT-qPCRによる遺伝子発現解析を行う予定としていたが、洞結節細胞を用いたIn situ RT-qPCRが困難であり、洞結節細胞から遺伝子を抽出する方法に変更した。しかし、マウスの洞結節細胞からの遺伝子抽出に難渋し、複数の方法を行い安定的な遺伝子抽出を行う方法について検討した。遺伝子発現解析に十分な量の遺伝子を抽出することが可能となっため、次年度に洞結節細胞の遺伝子発現解析と、高血糖状態における脂肪滴蓄積と洞結節細胞機能の解析 :糖負荷による洞結節細胞機能の解析、Wt・PLIN2-Tgに加え、PLIN2/cHSL(PLIN2-Tg/ホルモン感受性リパーゼ過剰発現)ダブルトランスジェニックマウスの3群を用いて研究を施行する予定であったが、実験動物の繁殖、交配に難渋したため、十分な匹数のマウスを準備することができなかった。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和5年度の後半より実験動物の繁殖により、充分な数のマウスが得られたことより、本年度に当初予定していた高血糖状態における脂肪滴蓄積と洞結節細胞機能の解析 :糖負荷による洞結節細胞機能の解析、Wt・PLIN2-Tgに加え、PLIN2/cHSL(PLIN2-Tg/ホルモン感受性リパーゼ過剰発現)ダブルトランスジェニックマウスの3群を用いて研究を施行する予定である。
|
Report
(3 results)
Research Products
(5 results)